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異世界拳風伝/STORMBRINGER  作者: 岬式人
燃え尽きて、生まれ変わって
3/81

異世界に立つー1

 「何故こうなった?」

 そんなことをつぶやきながら、不動鉄心(ふどうてっしん)はひとりごちる。

 何しろ、今いるのは雲がぽつりぽつりと点在する青空。そこから地面へ向けて真っ逆さまに紐なしバンジーしているのだろう。


 そうこうしているうちに地面が見えてくる、このままだとネギトロめいた死体になるのは確実だろう。

 「ん?…あれは…」

 ふと地面を見ると、ひとりの女性がRPGでよく見る小鬼(ゴブリン)のようなモンスターに囲まれていた。

 

 幸い、小鬼たちは気づいておらず、さらに、このままいけばゴブリンの一体に直撃するだろう。

 ならばどうするか、ラノベ主人公ならどうするか!

 「『女性』は助けるものだ」

 YES!YES!YES!(OH!MY、GOD)

 「応火式戦術(おうかしきせんじゅつ)戦法(せんぽう)の三十八…!」

 「――――――――――…え?」

 

 「甲吶(こうとつ)ッ!」

 「ぐぎゃっ」


 さらに『空中に踏み込んで』加速させた爆速の直突きが一体の哀れなゴブリンの頭を叩き潰す。

 そして、地面を打った反動で飛び上がり女性の元へと着地する。

 「あなたは一体…」

 「俺か?俺の名は—――――――」


              






            「――――――――――――応火式戦術皆伝、不動鉄心!」 


 







 我々の住む地球とはちがった世界。

 ここに、一人の男が現れた。

 男は、子に、孫に囲まれ、大往生を遂げたはずだった。

 だがしかし、何の因果か選ばれて。大地を踏みしめ、立ち上がる。

 応火式戦術免許皆伝、不動鉄心。

 異世界に立つ。

今月の二話目です、これから、月に一~二話投稿になります。できれば3~4話ぐらい連投できたらなと思いますが…まあ、頑張ります。

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