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異世界拳風伝/STORMBRINGER  作者: 岬式人
燃え尽きて、生まれ変わって
27/81

VS混沌機獣

 テッシンは巨大な鉄扉を蹴破り、中へと入っていく。

 

 彼を出迎えたのは、鼻をつくような死臭と、何かを捕食する悍ましい巨大な肉と金属の塊で構成されたミートボールのようなものだった。そいつの所々からは人間の手足や首が飛び出し、それらが呻きの不協和音を奏で、その狂気を一層に増長させていた。

 骨の折れる音、肉のちぎれる音が響くごとにそのバケモノは身震いし、声にもならぬ声を上げる。

 

 やがて、テッシンに気付いたソレは気のふれたような叫び声をあげその姿を変える。

 ソレの肉体に突き刺さるように生えていた金属の部分は四足獣を思わせる手足と爪、そして牙に。

 飛び出していた人間の手足は中に取り込まれ、肉の部分は巨大で獰猛な獣を思わせる姿へと変わる。

 そして、四足獣で言う背骨の上から女性の上半身が飛び出し、悍ましい叫びを上げた。


 テッシンはステータスの看破を試みた。【夜行幽星やこうゆうせい】の応用編、プロファイリングを『相手の動きを読む』から『相手を知る』に切り替えるというものである。

 

 ――――――――――――――

 名前:混沌機獣 レギオグルス


 HP:2317 MP:429

 力:559 敏捷:476

 知識:280 体力:457 頑健:323

 魔力:289 

 Lv20

 スキル:捕食、ダンジョンの主、合成機械兵士キメラテック、超再生Lv2、超越機関オーバードライブ

 ――――――――――――――


 やはりな、とテッシンは呟く。

 以前の手合わせの時、使ってみてわかったのだがどうやら【夜行幽星】には相手の行動をオープンにするという効果があるのだ。

 それをステータス開示に使用してみれば、案の定、【解析】系のスキルやアイテムなしで相手のステータスを見ることができたのだ。


 レギオグルスが飛びかかり、金属でできた爪を横薙ぎに振るう。

 テッシンはそれを後ろに飛んで躱し、後方の壁を駆け上がりレギオグルスの上から強襲する。

 「迫天はくてん沮軌破離乾はばきはりけんッ!」

 レギオグルスの脳天に重爆が落とされる。

 「グギィッ!」

 「うおぉッ」

 しかし、ダメージをものともせずレギオグルスはそれを強引に跳ね上げ、テッシンを叩き落さんと爪を振り上げ飛びあがる。


 「ガァッ!」

 「巻毘旋まきびつむじ!」

 テッシンは振り下ろされた金属の爪を弾くが、その勢いによる超速度で地面に吹き飛ばされる。

 テッシンはさすがに二度目だから慣れたのか、冷静に体勢を立て直して着地する。

 

 「『死セルモノヨ、蘇レ――――――――――――コールデッド』」

 「ッ!」

 レギオグルスは全身の肉から口を形成し、魔言を唱える。すると、中から骨だけとなった死体、半分消化され臓物の飛び出した死体―――――おそらくは犠牲者たちと思われる―――――など老若男女問わずそれらがレギオグルスの身体から這い出しテッシンに向かっていく。

 それを見たテッシンは瞠目し、震えだす。

 

 「………」

 「ギギッ」

 死体たちに囲まれたテッシンは動かない。レギオグルスは己の勝利を確信し、口角を釣り上げ嗤う。しかし、それが悪手となった。

 

 ブツン、とテッシンの中でせき止めていた何かが決壊した。



 「チェィリャッ!」

 瞬間、死体達が一体残らず吹き飛ばされ、その中心には拳を振り上げたテッシンがいた。

 その顔に凶相を貼り付け、怒りを浮かべるテッシンがいた。

 

 「このミートボールが…こっちの思い出したくないことを思い出させる…!震えろ……!貴様は塵一つすら残さんッ!」

 激情のままに吠え猛るテッシンは、そのまま大きく息を吸い、足と丹田に力をこめる。

 踏み込んだ足から地面に蜘蛛の巣状のひびが入り、大気が震えだした。

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