ボス前準備はしっかりと
テッシンは都市管理ユニット第109番──彼女は自分をそういった───にその他数点の事を聞いた。
何故あそこで眠っていたのか。
此処でいったい何があったのか。
あの培養機3基は生きているのか。
などなど……。
それに対しての彼女の返答は──────。
────────記憶にプロテクトがかけられていて、わからない。
────────暴走した合成機械兵士によって、同族も関係なく此処にいた者は全て殺された。そしてそいつは今も生きており、この最深部にいる。
────────生きている。ただし、一基につき一体のみしか作り出せない。
────────などなど。
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カツン、カツンと二つの靴音が洞窟内に響き渡る。五層へつながる階段の前でテッシンが振り返った。
「……なあ」
「はい」
「なぜついてくるんだ?オレはお前に『どこへなりと行け』と命令したはずだ」
振り向いたわけは、管理ユニットがついてくるからであった。
「マスターの身辺警護は命令の一つです」
「やった覚えはない、…それに、これ以上命は背負いたくはない」
正直に言えば、一人でゆっくりダンジョンが探索したい。それに、ダンジョンがどれほど危険かはフェイに何度も言われてきた。
出会った奴が、自分についてきた後いつの間にかぽっくり死んだというのは御免被る。
「……どうして?」
小首をかしげてユニットは問う。
「ん?」
「どうして、私のような機械に命があると思うのですか?」
管理ユニットには分からなかった。何故、このマスターは自分に命があると思っているのかを。
「付喪神って知っているか?俺の住んでいた国では、『長い間使われた物には魂が宿る』って言われててな…それと似たようなことさ」
「それは迷信というものではないでしょうか、確かに長く使い込まれた物や強い思念を受けた物には魔力が宿ります、しかし、魂が宿ったという報告はありません」
ぴきり、とテッシンの額に青筋がうかぶ。
「だから!お前は人間とそうかわりがないということだ!」
「どういうことですか?」
「機械は疑問を浮かべたりしない、それだけ言っておく、それじゃあな」
それだけを言って、足早に第五層へ降りていくテッシン。しかし、管理ユニットはその場から一歩も動けなかった。
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「ここか、最深部というのは」
第五層を超速で駆け抜け、マッピングをした後最深部まで足早に駆け降りたテッシン。
現在、最深部の巨大な扉の前に立っていた。
「…ん?」
突然、袋が赤く点滅しだす。何事かと思い、袋をあさると光を放っているのが地図である事が分かった。
地図を開くと、紙面の上に文字がうかぶ。
【この先、ダンジョンの主近く】
「ダンジョンの主か…」
そう言ってテッシンはギルドカードを見る。
ゲームでよくあるウィンドウが浮かび上がり、ステータスが表示される。
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名前:テッシン・フドウ
年齢:16(145)
種族:人間
JOB:神拳道士ゴッドハンド/無職
Lv18
HP:264 MP:0
力:1869 敏捷:1869
知識:25 体力:112 頑健:1521
魔力:0 運:21
スキル:応火式戦術・極、不動の魂、料理Lv20、???、???、???、服飾Lv20、???、ゼロ&ダブルアップ
装備:旅人の服(胴)、革の靴(脚)
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現在のLvは18、Lv一ケタで手こずっていた大抵の敵は倒せる程度である。
まあ、このステータスで苦戦する…ということはないが。
次に、テッシンは技のリストを思い浮かべる。すると、ステータスを映していたウインドウが切り替わる。
これは最近発見したことで、技のリストを思い浮かべることで覚えている技が表示されるというものである。
(これは…)
リストを見ていると、テッシンはある技を見つけた。
それは、リスクが付きまとうが強力な力を持つ、まさに諸刃の剣と呼ぶべき技であった。




