討伐クエスト-2
ゴドの街に繋がる街道のなかほど、男達が馬車に群がり貨物を荒らしている。
その周囲には、喉笛をカッ斬られた商人らしき男と鎧ごと縦に、横にと一太刀で真っ二つにされた男達の死体が散らばり転がっていた。
「おーい!そっちは何かあったか?」
「ヘヘッ、いたぜ?生きがいいのがよォ」
馬車を覗き込む男の目の前では、様々な年齢の少女たちが怯えていた。
少女たちの身体には角や、鳥や翼竜の翼と尻尾、鱗のついた肌や尖った耳があり、彼女たちが人間ではない種族……亜人であることが分かった。
亜人の社会的地位は低く、奴隷として売られることも少なくない。
ならば、彼らはそれを助けに来たのか?いいや、違う。
「中々の上玉が揃っているじゃねえか!なあ、センセイ!」
「あぁ!?斬れねえモンに文句をつける気はねぇンだよ、タコ!」
センセイ、と呼ばれた大柄の男は不機嫌そうに叫びながら切り株にドッカ、と座る。
地獄から引きずりだされたところで、そこが天国とは限らない。
しかし、因果応報という言葉もある。
「な…なんだテメェ…アバーッ!」
「戦法・五十二番、廻塵腕」
そしてそれは、跳ねのけようとしても逃げられるものではない。
「なにぶつくさ言ってや…「Wasshoi!」…ばっしゅ!」
今がまさにそれである。
「何モンだぁ、テメエは!」
盗賊の一人が吠える。
「冒険者だ」
少年が名乗る。
・・・
「な…何だよありゃあ…」
盗賊の頭、グエスは戦慄した。
仲間の一人が、突然やってきたガキに頭を掴まれた後、比喩でもなんでもなく爆発四散した…力を込めた様子も無く、だ。
次に襲い掛かった仲間が蹴り上げられた―――――奴が脚を上げていたのでそうと思われる――――あと、空中でバラバラになって森の中に落ちていった。
「に、逃げな—――「どけ」――――え?」
グエスは後ろからの声に振り向く。
彼にとっての希望がそこにあった。
(そうだ……センセイのレベルであればどんな奴だろうが叩きのめせる!)
「センセイ!お願いしますぜ!」
「あー、はいはい」
そう言われて『センセイ』がテッシンの方へと歩いていく。
激突、寸前。




