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11ストーカー誕生

 いつの間にか寝ていたらしい。

 カーテン越しにも外は薄明るいようで小鳥のさえずりが聞こえる。すぐ側までやって来ているようだ。


 ん、何時だろ………


 携帯……と、手を伸ばしかけて、しっかり繋がれていることに気付き驚いた。おまけに一緒に寝ている。同じベッドで……


 いやいや……相手は小学生。


 何度も自分で自分に言い聞かせる。


 頼りきってるなぁ〜

 あんなところで見ず知らずの自分に声をかけたばっかりにずいぶん迷惑をかけている。その自覚は充分あるけど、どうしていいかやっぱりわからない。何かお礼が出来たらいいんだけど……今の自分では何も出来そうになくて悲しくなる。


 ため息をついた時、繋いだ手をぎゅっと握られた。


「おはよう……」

「おはよう」


 美少年は朝から爽やかだ……





 午前中は昨日と同じ時間までどうするか……で、二人は駅前の遊園地に来ていた。


 懐かしい。当たり前だけど昔のまんまだ!ちょっと古びた感じで最新式の絶叫系はないがそのぶん安心感がある。実を言うと涼風はその手のものは苦手だったので有り難い。

そういえば祖父も子供の頃遠足で行ったって言ってたっけ………古いはずだ。次々色々な記憶が浮かぶ。雑多に色んなものがあったよな〜

 子供の頃の記憶だからかもっと広い気がしたが、そのぶん地味に起伏があり消耗する気がした。 

 もう一度この懐かしい遊園地に来れたのが嬉しい。

 GWなので回りは家族連れやカップルで結構賑わっていて楽しげな雰囲気だ。その中を手を繋いで歩く。


 まるでデートみたい……


 デートなんてしたことないからよくわからないが、多分端から見ればそう見えなくもないだろう。ちょっと気恥ずかしいがずっと手を繋いでるならデートに見えるほうがいい。


 実際小柄童顔の涼風は15〜6歳に見えたし、ませた美少年の絢汰は小学生には見えなかった。


 透明感のある白い肌に色素の薄い大きな瞳、染めてもないのに茶色いウェーブのかかった艶やかな長い髪、華奢な長い手足。涼風には全くこれっぽっちも自覚はないが、まるでお人形さんのようで、すれ違う男が振り返りながら見て行くし常に視線を感じて絢汰は威嚇するようにそこら中を睨んでいるというのに涼風は全く気が付いていない。むしろ視線を感じるとしたら隣の美少年を見ているに違いないと思っている。


 そんなの気のせい。だって生まれてこのかた全くもてたことがない。今まで彼氏なんて出来たことないし、告白されたこともない。お友達止まりで男の人って私に全然興味ないみたいよ〜とけらけら笑う。


 そんな訳ないだろう!


 一目見た瞬間、本当にまさかの一目惚れをした絢汰はうっすら目を細め回りを観察するが、涼風の余りの鈍感無自覚無頓着ぶりに呆れるばかりだった。



「ちゃんと見守って(見張って)ないと危なっかしくて心配で仕方ない」


 そしてそれは極めて危険なロリコンストーカーがひそかに誕生した瞬間でもあった。

ん〜〜〜

絢汰がどんどん怖くなる〜〜〜

ただいま絢汰の裏工作の数々を企画中でございます。どこまでエスカレートするやら………

不安だ……………

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