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1森林浴

はじめまして。初執筆&初投稿です。

よろしくお願いいたします。

 さわさわと風がそよぎ葉を揺らす。緑の中にためられた澄んだ空気が頬をくすぐる。涼風は足を止め木々を見上げおもいっきり息を吸う。この森の中ではひとつひとつの呼吸が食事をするように涼風の中を充たしていく。


  本当に久しぶりにやって来た。


  幼稚園の親子遠足が最初だったと思う。年に一回。副園長先生が妙に張り切ってハイテンションで引っ張って行く。今思えばなかなかいいお年だったと思うのだが、幼稚園の先生は年齢関係なく皆元気だった。母達も張り切って皆で見せ合う弁当はもちろん、傾斜を滑り降りるための段ボールソリに毎年工夫を凝らしていた。スピードはもちろん、何度も繰り返し滑るので丈夫なこと!持ち手が千切れようものならびいびい泣かれた挙げ句、何かの度に子供に責められ翌年の準備の季節にはママ友にまで「あんなことにならないように」と傷を抉られる。


  ふぷっぅ………思い出した!

 草まみれになって遊んだっけ……


  そのままほぼ同じ顔ぶれが隣の小学校に上がり同じ記憶を共有した。懐かしいなぁ。今も交流はあるが、昔のはちきれんばかりの笑顔を思い出しながら歩いていると、ちょうど涼風の大好きな巨大な古い大木にたどり着いた。涼風は満面の笑顔で抱きついた。


  わぁ〜久しぶりぃ〜元気だった?また逢えて嬉しいよぉ〜


  巨木に抱きつきながらあれやこれや思いつくまま話しかける。おもいっきり不審者かもしれないが辺りに誰もいない森の中。いいことにしよう。うん。


  こうやって抱きついてると巨木と一体化したような不思議な感覚になる。大地からエネルギーをもらって自分の身体を通して天に解放するようなふわふわした恍惚感。


 この感覚のために山道を登る。

 普段は全く運動なんてしない。汗をかくのは大嫌い。


 でもこの神の山だけは別。麓の神社の神山らしく伐採が禁じられ太古の昔のままの森が守られている神域だ。この森にいると八百万の神々が本当に存在し森を守っているかのようなそんな不思議な心地がする。

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