何もないと思うんだ。
何もないと思うんだ。
きっと、無なんだと思う。
私は無をモッテイルのだろう。モッテイルと言うことは、無は無でないのかもしれない。
けれど、その無だった私に色を着けて、飾りを付けてくれた世界は、雨は優しくて、苦しくて、痛くて、甘くて、血の味がする。
でも、世界は、そこに厳然たる事実として寄り添っていて。私は、雨を降らせながらも、声も、音も、八つ裂きにして、噛み千切って、飲み込んで、枯らした。
気持ちいい。快楽、悦楽、深い海。群青の貴女は、温かい。包み込んでくれた貴女は、堕ちる事を許してくれた。
私は、甘美な、真、甘美な、色を付けた。
雨は止まない、荒れる、世界は、進むけれど、世界は雨は止まないんだ。
悪いことじゃない、良いことじゃない、良い悪いじゃない、悪か善じゃない。雨は止めたら、やめて。
分からない、けれど、いつか雨も、温かい雨になるはずだから、私は、生を終えさせていく。
ごめんなさい、ごめんね……。痛いよね?ごめん…、折角、生んだのに、ごめんなさい。
私の罪は、生を重ねて、生む彼ら彼女らを殺し続ける事。
けれど…世界は、世界で生を続ける為には、アナタ達の生を終わらせなくては、いけなくて。
もし、また、会えたら。その時は、必ず、抱き締めるから、ちゃんと、守るから。ごめんなさい。ごめん……ね。
皆を、雨を、世界を好きで、愛して、私は、愛されたくて、だから、今だけは。