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心臓魚
今日は何の話をしようか
注射器で抜かれてゆく血みたいに
毒となってしまった今日を何処かへ
連れて行って欲しいんだ今すぐに
痛みすら感じなくなってゆく
いつも通り泳ぐ、水槽の中
血清で洗い清めたカルキ
治療という名目はもう消えてゆく
溺れてゆく私の中で
未だに動き続ける心臓
まだ何も見えない新生児が
顔を見て笑っている
海底で触れたものは
何もなくて目も開けられない
静かに響く空気の泡は
再び上へと昇ってゆく
言葉選びも下手くそになって
そう私は泣いている、泣いている
やっと見せたはずの感情が
早速いらないものとして分類された
どこにも行けないように囲った
この水槽で息が出来なくなって
明日すら生きてゆけるの?
そんなことばかり考えて
未だに無感動に動く心臓
手を伸ばしても届かない空は
明日を意味しているのでしょう
ならもう目を閉じて手を胸に当てて
終わりを感じながら