テケテケさん
ハァハァ……
俺は夜の道を走る。
何時もは何人かとすれ違う道なのに不思議なことに今日は誰1人としてすれ違うことはない。人が消えてしまったかのように静けさが街を支配していた。
まぁ、それは俺と後ろから俺の事をテケテケと追いかけてくる1人の女性を除いて、だが。
女性の外見は美少女だ。
歳は幼いように見える。多分小学生か……多く見積もっても中学生といったところだろう。
そんな少女は2本腕を器用に使いながら地を這って俺を追いかけてくる。
三つ編みにされた左右の髪を振り乱しながら少女は俺に向かってきているのだ。
彼女には下半身が無かった。
あれは何だろう?少女は昔読んだことがある本に出てきたテケテケという妖怪に良く似ている。
まさか本当に存在するとは。俄かには信じられないが、後ろから迫ってきている少女がテケテケを証明していると言えるだろう。
足をよこせと迫ってくる少女には恐らくだがどんな言葉も通じないだろう。
俺の体力ももう限界だった。
もうダメだと思ったとき、彼が現れた。
「テケテケさん、新しい足だ、受け取れ!」
突然現れた科学者らしき男が後ろから少女に機械仕掛けの下半身を装着する。
―――!!
少女は動きを止めて科学者の方を見る。そして自分に付いた機械仕掛けの足を見て目を見開く。
「ぐはっ!?」
少女が口を開きかけたとき、科学者が突然血を吐いた。
「クックック……その足は我らのものだ。返してもらおうか?」
「い、いきなり何なの?博士を殺すなんて何てことを!」
「その技足【スレイプニル】は我らの悲願である世界征服に必要なのだ。渡してもらうぞ。」
「世界征服!?そんなことは私がさせない!」
こうしてテケテケさんと秘密結社との戦いが始まったのだった。
俺?巻き込まれる前に帰ったけど何か?
次の更新はずっと先です。
気が向いたら更新する感じ。