表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕と彼らの異世界譚  作者: 浮魚塩
激動!?修学旅行・竜の巫女
18/55

─17─ ロザリー

視点がロザリーになります。


口調に特徴を持たすんじゃなかったと後悔。

もう絶対彼女の視点では書きたくない……


おかしな点、読みにくい点、多々あると思いますが、ご了承ください。

 あの日はとても天気がよかったんですの。

 だから私は少し散歩でもしようかと思い、外へ繰り出しましたの。

 いつもなら、付き人が居るのですが、私はどうもあれが苦手ですので、秘密でこっそり家を抜け出したんですの。

 無難なことしか話さない話し相手なんてつまらないですわよね?

 その点、カンナさんのようにずけずけと話してくれる方は、私にとっては嬉しい存在ですわね。

 まぁ、それは置いておきまして。

 私は一流のものばかり与えられて育ってきました。

 ええ、自慢ではありませんわ。

 ですから、庶民的なものに憧れがありますの。

 その日もいろんな所を回ってみるつもりでしたのよ。

 そうしたら、あるわあるわ庶民の嗜み! 私、思わずテンションが上がってしまって、普段なら……、いえ、普通なら行かないところにまで足を踏み入れてしまいましたの。

 そこで見ましたわ。

 庶民とはかけ離れた低俗なものを。


「おら! 出せよ!」


 女性が数人の男に囲まれていましたの。所謂カツアゲというものですわ。

 女性はとても怯えた様子でしたわ。


「やめなさい!」


 私も魔法学校の生徒。

 魔法にはそれなりの自信を持っていましたの。


「んだてめぇは? ん? なんだてめぇ、金持ちそうな面だな?」

「ひひひ、いい体してんじゃねぇか! こんな女より楽しめそうだぜ?」


 相手は二人。

 やってやれないことはありませんわ。

 男二人は私に飛びかかってきましたわ。

 いくら魔法が強力でも、捕まってしまえばそれまでですわ。

 でも、私が得意なのは水の魔法。

 指二本を揃えて立てて、水の初級魔法『アクアブレード』を発動させましたわ。

 これは、発動さえさせてしまえばしばらく効果は持続しますから、捕まったとき、近接時にも有効ですわ。


「なんだ……。もしかしてお前、魔法学校の生徒か?」

「ひひひ、それならそれ相応の対応をしないとなぁ?」


 一人の男が片手を上にかざしましたわ。

 あの詠唱動作は『ファイアボール』。

 私のアクアブレードならいとも簡単に消し去ることができます。


「食らえ!」


 炎の玉が私めがけて飛んできました。

 それをアクアブレードで払いのけた瞬間、もう一人が魔法を放つのが見えましたわ。

 罠でしたの。

 一人が囮になって、もう一人が隙をつく。

 しかも放たれたのは土の中級魔法。

 アクアブレードでは、できてせいぜい威力の軽減程度でしたわ。


「くふっ!」


 私の体は飛ばされて、地面を少し転がりましたの。

 まぁ、さっきの女性は逃げられたようですので、ここまでは良しとしますわ。


「威勢の割にようぇーなぁ?」

「俺らが強すぎんだよ。ひひひ」


 ただ、私が逃げられるかどうかは、まだ分かりませんけど。


「さあて? 着てるもんも金になりそうだな。身ぐるみ剥いで、金目のもん取ったら、後はお前の好きにしろよ。俺はガキに興味はねぇからな」

「ひひひ」


 体を起こそうとしましたが、思った以上に先ほどのダメージが効いていましたの。

 体が思うように動きませんでしたわ。


「おい」


 そんなときでしたわ。

 彼が来たのは。


「なんだてめぇはよぉ?」

「この女を助け──」


 一陣の風。

 次の瞬間、男たち二人は吹っ飛んでいましたわ。


「状況はだいたい理解してる。話し合いをするつもりもないね」


 私はポカンとれを眺めてるしかありませんでしたわ。

 だって、あまりにも呆気なさすぎたんですもの。


「あんた、立てるか?」

「え、ええ……あ……、そうですわ! ありがとうございました」

「いや、気にしなくていいんだ」


 見慣れない服装で、どこか知らない感じの雰囲気の男の子でしたわ。


「ランバート魔法学校というところを探してるんだが、知らないか?」

「そ、それなら私の通う学校ですわ」

「ほんとうか?! そりゃ助かった! 大きな町だからどこをどう行けばいいか分からなかったんだ!」

「案内しましょうか?」

「おう頼む! おっと、そうだ。俺はトーヤ。トーヤ・サザナギ。あんたは?」

「私はロザリンド・エルスマスト。ロザリーと呼んでください」

「そうかロザリー。よろしくな!」

「ええ、分かりましたわ」


 そして二人で歩き始めたのですが。


「ロザリー、一つ聞きたいことが」


 トーヤさんは不意に足を止めたんですの。


「なんですの?」

「その、魔法学校にユウトって奴はいるか?」

「少なくとも同学年には居ませんわね。ありふれた名前ですし、学校に一人は居ると思いますけど……。知り合いなんですの?」

「うーん、そんなところだな。訳あって一度会わなきゃいけないんだ」

「そうですの? それなら私も探してみますわ」

「いや、そこまではいいよ。急ぐ用事でもないし」

「そ、そうですの……」

「じゃあ学校まで頼むよ」

「ええ」











「べたですねぇー」


 カンナさんは相変わらずですわね。


「う、うるさいですわよカンナさん!」

「一目惚れってやつなんだね」

「そ、そうとも言いますわね」


 ユトさんはああ言ってましたが、本当にそうなのでしょうか?


「……ロザリーさん」


 ユトさんが私の顔を伺いながら言いました。


「ど、どうかされましたか?」

「……あ……、ごめんなさい。なんでもないよ」


 そんな顔されると余計気になりますわ!


「ユトちゃん、やっぱり諦めきれないんですか?」

「ちがっ! 諦めるとかそれ以前の話だよ! 私にそんな感情はないよ!」


 もう、カンナさんが煽るから話がややこしくなるんですわ!


「はいはい。それではこの話はお終いですわ! そろそろ寝る時間ですわ!」

「っと、ユトちゃん、しっかり睡眠をとるんですよ? 明日倒れても踏んでいきますから!」

「わ、わかった……」


 これで修学旅行一日目が終わりましたの。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ