多重人格
突然だが私の悩みを聞いてくれ。
私の悩みは何か?
それは私が多重人格者ではないかということだ。
詳しく説明してくれと?
もとよりそのつもりだから安心しろ。
まず、君の前にいる私は”利己的な私"だ。
そしてこの他には大まかに分類すれば”感情的な私""正義的な私”"幼児的な私""義務的な私"などがいる。
中心にいるのは"利己的な私"だ。
こいつは他の私がいても問題なく存在し、他の私を分析している。
脳内でだが"利己的な私"は他の私達と話をしている。
すべて一個人ということだ。
脳内ということで他人には白い目で見られたことは今まで一度もない。
君も私がカミングアウトしなければ知らずにいただろうね。
自分自身を多重人格者だと思った理由が知りたい?
ふむ。
例えば風呂に入るといつも[臆病な私]が出てくる。
"感情的な私"の一種だ。
換気扇から何かが見ているかもしれない、このドアを開けたら何かいるかもしれないなどといった有り得ないと知っているのに考える私がいる。
他には"幼児的な私"と"義務的な私"このふたつの考えは真逆だ。
"幼児的な私"が何で何で?なのに対し"義務的な私"は義務だからで片付ける。
なに?それだけじゃ多重人格者か分からないって?
なんだ、君も分からないのか。
人の心理に長けている君にならわかると思ったんだかな。
まぁいい。
話を聞いてくれてありがとう。
このことは他言無用で頼むよ。
それでは、また。
『ねぇ。あの人は心理に長けているのでしょう?それなのにわかんないのは何で?』
『人というものが万能ではないからだよ』
『そっかぁ…じゃあ何で僕らは1人なのに1つじゃないのかな?』
『きっとひとつじゃ足りなかったのよ!あまーいお菓子を衝動的に沢山食べちゃいたくなるみたいに1つじゃ物足りなかったのよ!』
『そういうものなの?』
『そういうもんなの!』
『あまりこいつの言うことを鵜呑みにするな。いつか騙されるぞ』
『騙すの!?嘘は駄目だよ!?暴力反対!!』
『暴力もなにもあったもんじゃないでしょ。そんなことしたら自虐行為を楽しむ変態よ?』
『こ、言葉だって刃となって人を傷付けることが出来るんだぞ!』
『あー、はいはい』
思い付いたので書いてみました。
色々思うことはあると思います。
作者自身色々思ってます。