新しい目覚め
目が醒めた。【Now Loading】
天井は、後ろにバックライトでもあるかの様に真っ白で発光していた。
『俺、いつ寝ちゃったんだっけ・・・』
自分が寝入る前にやったこと。寝入るまでの時間がぽっかり抜けていた。
頭の中で自分が寝る前何をしていたか、何時床に就いたかを追想する。
目覚めた時の爽快感がまるでなく、逆に無理矢理安眠を邪魔されてしまったかの様な頭に鈍い痛みが残っている。
寝起きとしては最悪で、そのせいか頭の中はボゥーとして、上手く働いてはくれなかった。
それでも頭の中で何度も何度も、グチャグチャに縺れた糸を解こうとする。
だが、前後の記憶すら全く何も思い出せない。もどかしいという気持ちがじわじわと膨らんでいくのがわかる。
そこまで大したことじゃない筈なのに何故かそのことが頭に引っ掛かって、大事なことの様な気がしてならない。
『ダメだ、全然思い出せねぇなぁ』
それなら周囲から記憶を手繰りだそうと、身体を起こした。
自分がとった些細な行動が辺りに散らばっている筈だと思ったから。
でもそんなことはなく、俺は記憶だけでなく、さらに俺自身のことまで分らなくなってしまった。
周囲は、天井と同じく白く発光する壁と床だけで他は何もない。ドアすらもついておらず、ただ白いというだけだった。
僕の網膜から視神経線維を伝わって、脳へと伝達される視覚情報。
それに加味するように、物や壁の配合物質の情報やそのものの情報と用途。
遠くにあるものに目を凝らすと、まるで双眼鏡レンズの様に倍率ができ、メーカー会社のロゴまでもはっきり見える。
視覚の端にそのロゴのスナップ写真が表示され、製品情報とその会社のことまで説明が視界に
変更や加筆、物語を練り直すのでまたゆっくり更新致します。