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地鎮祭  作者: 四条愛羅
3/6

水曜日

A-3 夢でないとは分かっていても

今朝も薄気味悪い地鎮祭の横を通らなくてはならないのか、と溜め息をつき、家を出ると昨日の猫の横には原型を殆ど留めていない何かがあった。羽?……鳥…………鳩?「嘘でしょ、夢でしょう…?」吐き気がするままにバスに乗ったせいで、車酔いになった。




B-3 土地柄

「え、あそこは処刑場の前はなんだったかって?似たようなものさ…って言っても君は若いし分からないかな。……僕も同じくらいに見える?口がうまいねえ。でもそんなこと、いまは関係ない。あそこは昔、人身供儀が行われた場、つまりは生け贄を殺す儀式の場だったんだ。そういうときって、大体今で言うイケメンや美女を選ぶから、遺族の恨みだって募るのさ。それにこっちでは茨田堤や長柄橋を造ったとき以上に多くの生け贄が家一軒建てる度に集められた。今の人から見ればバカっぽいし人権がどうのとか言うんだと思うけど、事実だよ。まあ、信じようと信じまいと君の勝手だけど。」




C-3 着信中

『うわ、救急車来てる、何これ…車は潰れてないみたいだけど…あ、子供。げっ、めっちゃ血出てる…いや、ちょっと、マジでヤバそうだよ、あれ…え、何、聞こえない…ん、分かってる…お味噌と大根でしょ…買ったらすぐ帰るって…でも本当どうなってんのか…はいはい、さっさと帰るわよ…分かってるから、ね!』


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