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墓に巣食うリンダヴルム 後編

両目を潰されたリンドヴルムが痛みに耐えられないとも怒りに燃えているともとれる大きな悲鳴を上げた。竜から離れてティッタの近くへと移動したヴァルターはその竜をみて舌打ちした。

確かにリンドブルムには大きな傷を与えた。しかしこの竜は鼻が効く以上、自分達の存在を嗅覚で感知するしこのまま放って置いたら外に出て村の人々に危害を加えるかもしれない。


「ヴァルター!わしのとっておきの魔法を使う!そのスキに石棺からアルフンクを!」


「いいのか?アレは扱いが難しいんだろ!?」


「こやつには火の魔法も風の魔法も与えたが傷まみれになってもしぶとく生きておる。何より肝心の牙がまだ健在じゃ。だからとっておきを使う!その間おぬしも気を引け!」

これからティッタが使う魔法の発動を邪魔させない為にヴァルターは囮役を引き受けた。リンドヴルムの後ろに素早く回ってまだ壊されていなかった弓を引き矢を二つ竜の方へ放った。やはり致命傷には至らなかったが矢は突き刺さり、竜をヴァルターの方向へと向けさせるには十分だった。光を遮断するゴーグルを付けたティッタが宝石が組み込まれた魔法の杖をリンドヴルムに向けて詠唱を始めた。この魔法をティッタから伝えられた際、言われたのは目を瞑っとけという事だった。


「Colligentes electricity figura in lucernam hastam hostem ferite!(電気よ集まれ、雷の槍となりて、敵を貫け!)」


ティッタの杖の先からジグザグの光がリンドヴルム目がけて放たれた直後に雷鳴が墓地内に響いた。目は瞑ったしリンドヴルムの大きな図体で雷は見えなかったがものすごい音で耳がきーんと響いていた。これがティッタの中で一番強い雷の魔法だ。雷をもろに受けたリンドヴルムのしっぽと後ろの両足には大きな火傷が出来ており竜は苦しく唸っていた。本気を出せば大きな門も砕けるが今回は墓地内という事もあって力を調整した。それでもこの威力、この轟音である。しかし竜もしぶとく雷を受けたら本来止まる筈の心臓はどうやら動いており竜はティッタの方を向いて体をゆっくりと動かしていた。


「雷は効いたぞ!さっさと魔剣を取らぬかヴァルター!」


ティッタの叱責を受けてヴァルターは墓地の廊下を急いで走り、一番奥の石棺へと向かった。

ティッタがリンドヴルムの嗅覚により追跡を避けている間、ヴァルターは先祖であるヴァルデマールの石棺にたどり着くと、ヴァルターは石で出来た棺のふたを右から両手で力づくで押し開ける。半分まで押し開けたところでヴァルデマールのものと思われる青色の綺麗なチュニックを来た骨になった遺骸と遺骸の右手に古い形の剣の柄が見えた。そこにあったのは古びた鞘に収まった剣だった。


「すまない、貰い受ける。」


ご先祖様の名をいう暇も無くヴァルターは遺骸の右手から剣を掴み取り鞘から引き抜いた。ヴァルターのもっていたアーミングソードよりもつばと柄頭が狭く、砂時計の形をした柄、銀の様に輝く剣は刃先も先端も刃こぼれが全くなく今日出来た様な形をしていた。

剣の美しさに一瞬魅了されたがリンドヴルムに襲われているティッタの事を思い出しヴァルターは急いで現場に戻った。

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