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सरस्वती 僕と〇〇〇のターラ  作者: ARATA
一と言って二とない
5/60

第五話 我武者羅?いいえ、ガラシャですけど?

『我武者羅』


向こう見ずにむちゃくちゃに物事をするさま。


オックスフォードより。




では、本編をどうぞ!



「君、ゼロ円なの?」


「なんだい?」


いきなり女の子がゼロイチに声をかけてきた。普通は喜ぶのだが、ゼロイチはつい最近ハニートラップなるものを知った。その言葉をどうしても、どうしても言いたかったため、口から出まかせで、唇を動かした。


「さては、ハニートラップだな!僕を黙そうとしているに違いないね!」


「お子ちゃまが何言ってんの?」


「なんだって!?僕はこれでも、大学生だい!」


ゼロイチは、彼女の頭部を見てみると、千円札が1枚だけ頭部にあった。


「千円かぁ。」


体は女性なのに、顔が野口英世のように見えるため思わず笑ってしまったゼロイチ。1度は、こらえようとしたが、こらえきれなかった。吹き出すと、どうやら彼女の癪に障ったようだ。


「ああん?ゼーロ。」


「僕は、レイイチだ!」


「ほら、やっぱゼロイチじゃん。」


悔し泣きするゼロイチ………

その様子を見ていた彼女は、財布の中をゴソゴソと探しているではないか。


「なんか可哀想。あげる。」


彼女の顔である千円札が、いや、野口英世のあの不気味な顔がゼロイチの顔に近づいてきた。まあ、ゼロイチに顔はないのだが、ゼロイチは反射的に仰け反った。

ゼロイチの手に感触があった。何か見てみると、一円玉だ。


「え?いいの?こんだけ。」


余計な事を言ってしまったゼロイチ。


「こんなにでしょ?ゼロからイチって割と凄いからね。ほら鏡みなよ。ゼロイチ。」


女性は、化粧ポーチから鏡を取り出して、ゼロイチに見せつけた。


「ぼ、ぼくの頭が一円玉に!?君は、名前なんていうのさ。僕は、レイイチ。まあ、ゼロイチとも言うけどさ。」


「ゼロイチ君には、特別に教えてあげる。でも、恥ずかしいな。やっぱり、一円玉返してくれない。999円になっちゃったし。私は、えっと我武者羅。よろしく。」


「ガムシャラ?へぇ、って!なんで!僕また、ゼロ円じゃん!僕のお金が…………」


ゼロイチは下を俯きながら、嫌そうに手を差し伸べる。


「はい。ガムシャラちゃん。」


「我武者羅?いいえ、ガラシャですけど?」


「え!え、自分で言ったんじゃないか!」


「私の下の名前は、ガラシャなの。下の名前で呼びなさいよ。」


「が、ガラシャ。へぇ、ガラシャねぇ。」


「きゃーーーん。ありがと!」


「口が、アニメとかで見る猫の口になってるよ。」


「にゃああん?」


「あ、なんでもないです。」


女子って怖い。ゼロイチは、心の底から、そう思った。


「ハンバーガー食べに行かない?ゼロイチ〜」


あれ、初対面だよね?なんか馴れ馴れしい。ゼロイチは心を抉られた気分だった。


「大学はいいの?まだ講義あるんじゃ………」


「今日は、私一コマだけだからさ。」


「わかったよ。ガラシャ。」


「きゃーーーん。ありがと。」


あれ台詞決まってるの?いや、そんなはずはないのだが、勘違いするゼロイチ…………

友人となったガラシャと共に、ゼロイチは、ハンバーガーショップを目指した。ターラは、依然として、隠れたままである。


元々は、我武者羅(がむしゃら)だったのですが、一捻り加えたかったために、偉人から名前を取って、ガラシャに………


ちなみに、ガラシャという名前自体は、ラテン語で「神の恵み」を意味するそうです。


次回まで、どうぞよしなに!

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