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सरस्वती 僕と〇〇〇のターラ  作者: ARATA
一と言って二とない
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第四十八話 なぜ存在する?




「ゼロイチ君。この世界にはあるものがないわよね?それはわかる?」


「………わかりません。」


なにもかもがわからないような表情で明後日の方向を見る。そこには、誰もいないし、見えるのは電車の白い壁、無機質だ。ゼロイチはそう思った。


「わからない………いい答えね。わからない………もないかもしれないわ。だって、神がいるのよ。その神に聞けば、なんでもわかってしまう。でもね、現実はそうじゃないの。私が言いたいのは、警告であって、ある人からしたら、復讐かもしれないわ。その人は絶対に気づけないけど、私はここで言うわね。私情を持ち込んでは、いけないことはわかっているわ。でもね、これはやるべきことなの。わかってもらいたいから。気づいてほしいから。他人を傷つけてしまったら、その時点でそれは悪。犯罪と同じかもしれないわ。」


頭を抱えるゼロイチ。何が言いたいのだろうか。


「いい?マイナスな言葉は、ここに存在しないのよ。あるのはプラスな言葉だけ、何故だと思う?」


「いい方向に向かうからですか?」


「それは、もちろんね。私が言いたいのは、マイナスな言葉を使う人間は、愚者であるということ。これは、覆らない事実よ。今の私の発言は矛盾しているけれど、わからない人もいるわ。わからないことがわからないのよ。もしくは、平気でそれをやってのけるわ。相手を考えることが最優先だと私は思うの。自分が言われたら傷つくのに、おかしいと思わない?はあ、声を大にして言いたいわ。拡声器が欲しいわね。」


「あの、大丈夫ですか?」


「もう大丈夫。だからね、ゼロイチ君。約束して、死に関連する言葉は、決して使わないでね。これは私からのお願い。死神に呪われると体が震えだすから、だってその言葉を聞いているのは?考えてるのは?他でもないあなたなのよ?でも、あなたが悪いってわけじゃないの。まだ知らないだけなのよ。無知は罪ってよく言うでしょ。でも、知らぬが仏とも言うのよ。場所と時間に応じて、使い分けるのよ。」


僕は、小学生だ。今まで、何をしてきた?意味はあった?何人と話した?大切な人はいた?僕は愚か者?それとも賢者?それはわからない。わかることはやるべきことがあること。


「わかりました。約束します。シャーロットさん。」


「これ、私の住所だから、何かあったら連絡してね?」


「はい!」


記録を残さなければ、と心のどこかで思ったゼロイチ。何が起きたのだろうか?何も起きてないかもしれない。一殺那に起きた奇跡に誰もが、ひれ伏す。そんな時代がくるかもしれない。まだ早いだけなのだ。まだ遅いだけなのだ。待っている人がいてくれる。守ってくれる人がいる。大切な人がいる。それだけで言い訳がない。禁忌とはどこに潜んでいるかわからないのだ。おっと………


「ゼロイチ!おかえり!!」


「あっ!ガラシャじゃん!」


偶然は必然にして起こるのか。必然は偶然にして起こるのか。神のみぞ知る………


「あれ?なんか視線感じるね?誰かいた?」


「誰もいないよ!」



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