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सरस्वती 僕と〇〇〇のターラ  作者: ARATA
一と言って二とない
42/60

第四十二話 ベルベット

こんばんは。

いつもありがとうございます。



では、本編へどうぞ!




「・・・起きて」


「・・・起きて、起きて」


「うわあ!おはようございます!」


 ゼロイチは先程まですやすやと寝ていた。起きてみるとそこは一面水の世界。誰かに起こされた。起こされた気がした。声が聞こえたのだ。『起きて』と三回聞こえたのだ。誰の声だったのだろうか。見当もつかない。

 ゼロイチは確かに、シャーロットの膝の上で寝ていたはずだ。何が起こったのだろうか。地面を見てみる。そこにあるのは蓮の葉だ。ゼロイチの視線の先には、大きな蓮の花。蓮の花が所々に咲いている。ちなみに、蓮の花の花言葉は、「清らかな心」「休養」「神聖」「雄弁」「沈着」「離れゆく愛」だ。いくつもの蓮の花を見ていると一際大きい花がある、あの花は赤い色をしている。その花こそベルベットであった。蓮の葉は、そこから、伸びてきていた。まるで、そこを守っているかのように取り囲んでいるのだ。

 ゼロイチをそのベルベットは魅了した。蓮の葉の上で器用にバランスを取りながら立ってみると、驚いた。蓮の葉は、人間の身長を超えるほどの大きさをしており、とてもしっかりしているのだ。歩いたところで、びくともしないのだ。その、大きさは、たまげて腰を抜かすほどで、家が一つ立ちそうなほどの大きさだ。


「どこだろう。ここ。」


《シュリー・ラーマ・ラーマ・ラーメーティ・ラメー・ラーメー・マノーラメー・サハスラナーマ・タットゥリャム・ラーマナーマ・ヴァラーナネー》


 池か湖かそれとも海とも形容しがたいゼロイチの地面は、少し揺れている。振動だろうか。まるで、楽器の弦がはじかれた時のように、小刻みに揺れているではないか。下から呪文のようなものが聞こえてきたが、これは、一体・・・

 ゼロイチは何気なく下を見てみる。少し歩いて、ようやく蓮の葉の箸に辿りつくと、蓮の葉の隙間から、黒い影があるのがわかった。


「こ、これは・・・」


 目を瞑った大きな大きな人が立っているのがゼロイチの視点からでもわかった。誰なのだろうか。

 その、大きな人には、腕が四本あるのがわかった。


「人間じゃない・・・」


 その大きな人の足元まで、見ようとしたが、深すぎてとてもじゃないが見えないのだ。どれくらい大きいのだろうか。まるで、小人にでもなったような気分だ。臍はかろうじて見ることができた。どうやら、ベルベットは、この大きな人から、いや、大きな人の臍から伸びてきているのがわかった。


《मेरी बेटी के लिए पूछो》


「え?」


 また、水面が揺れている。振動だ。振動が起きている。

 そして、ベルベットの蕾がだんだんと開いていく。女の子だ。女の子がいる。あの、かぐや姫を彷彿とさせる。


「あの子は・・・?」


 ゼロイチは気を失った・・・

次回までどうぞよしなに!

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