第三十九話 シャーロット
シャーロットとは、英語圏で非常にポピュラーな女性の名前で、フランス語圏では、シャルロット、ドイツ語圏では、シャルロッテとなります。
「小さくて女の子らしい」という意味があることから、男性には用いれられない名前です。
ちなみに、アメリカ合衆国のノースカロライナ州の都市にもシャーロットという都市があります。
では、本編へどうぞ!
ゼロイチは、ガラシャの家を出ると誰かいないかと探すが、周りに人は見当たらない。
「ねえあなた、こんなところで何をしているの?」
「え、誰ですか?」
ゼロイチが振り向くと、金髪の少女がいた。その少女は、水色の瞳をしており、肩の露出した黒いワンピースを着ていた。よく見てみると、ワンピースだと思われたそれは、上半身は黒い首まである縦模様のニットであり、下は黒いスカートだ。スカートには、生地のラインが入っており、端には上側に十字架、下側にダイヤの模様。その模様が一周するようにスカートを取り囲んでいる。スカートの丈は丁度膝上ほどである。
髪型はポニーテールであり、黒いシュシュでまとめてある。上着として、丈の長い水色のカーディガンをオフショルダーで着ている。手元は所謂萌袖をしており、カーディガンの横側には、オレンジ色と水色の太めの紐で、バツ印がつくられており、ワンポイントとなっている。
「あら、男の子じゃない。私はシャーロット。ねえあなた、メテオーラ知らない?」
ゼロイチから見ても、そのシャーロットは年上に見えた。ここでまた知らない名前が出てくる“メテオーラ”とは、誰だろうか。ゼロイチはその初めて聞く名前に動揺を隠せないでいた。ここは、素直に知らないと言うべきか。はたまた、一緒に探すのを手伝うか。
しかし、一緒に探すとなれば、天林山には行けなくなってしまう。どうしたものか。
「知らないです。」
とりあえず、知らないと答えたはいいが、シャーロットの反応が気になるものだ。
「あらそう。で、あなたは何をしているの?」
ゼロイチは最初の質問に答えるのをすっかり忘れていた。
「ああ、そうでした。僕、弁財天様を探しているんです。なので、天林山に行きたくて。知ってますか?」
シャーロットは、右手を顎に当てると考える仕草をしている。何か思い当たる節があるのだろうか?
「知ってるけど、あの弁財天様がねえ・・・」
どうやら弁財天を知っているようだ。
「ここ百年で姿を見た人はいないって聞くわ。いるのかしら。」
「そうなんですね。」
少しがっかりするゼロイチ。天林山の場所はわかりそうだ。また、行くこともできる。
だが、その存在はもはや伝説となってしまったのだろうか。居場所まではわからないかもしれない。そう考えていた。
「でも、用事があるんでしょう?行きましょ!」
「はい。」
「ところで、あなた名前は?」
「レイイチと言います。」
「れい・・・ぜろ・・・ゼロイチ?ゼロイチ君?」
「あの、レイイチなんですが・・・」
「行きましょゼロイチ君。」
シャーロットは、ゼロイチの手を引っ張った。
「ま、待ってくださいよー!」
次回までどうぞよしなに!




