第三十七話 ただより高いものはない
無料っていいですよね。魔法の言葉です。その魔力に何度時間を使わされたことか。無料とは、恐ろしい言葉です。たまには、時間を買うのもありかもしれませんね。なにをとはいいませんが………
では、本編へどうぞ!
ゼロイチは、風呂場に戻り、ブシをちしちゃんに渡すと、ゆっくりと風呂に浸かった。ゼロイチは、あまり風呂が好きではないため、長風呂はしない。風呂に入っていると言っても、足だけのため、足湯に近い。
なぜかは、わからないが。ゼロイチは、局部を隠している。誰もいないというのに。なぜ、隠しているのだろうか。至極不思議である。
「ゼロイチ何してる金。」
「わっ!脅かさないでよ。びっくりしたじゃないか!」
ターラが、影からひょっこりと現れる。ゼロイチもそれに合わせ、体の向きを変えた。
「驚きすぎ金。見えてる金。」
ゼロイチのタオルがズレている。
「あああ!見ないでぇ!」
必死に隠そうとするゼロイチだが、ひっくり返り、頭から風呂に落ちていく。これでは、男の子か、女の子かわからないといったものだ。
「興味ない金。だ、大丈夫金?」
「はいほうふブクブクブク。」
ぷはあっと、勢いよく、風呂から出ると、ターラの前に立ったゼロイチ。
「聞きたいことがあるんだけどさ。」
「何金。ハレンチ金。」
「そうそうターラの服って臍が見えててハレンチでさ………って違うよ!」
「わかった金。ランチ金。」
「そうそう、今日のランチ美味しくてさ………って違うよ!」
ターラは、無表情である。
「僕ボケたよ?」
「面白くない金。」
「厳しいなあ!」
「で、何金。」
「眼鏡!心根の眼鏡を弁財天様に返したいんだ!」
「ふーん。で、どうする金。」
「たらえもん。何とかしてー!なーんて僕は言わないからね!眼鏡かけてるけど!3の目になったりしてないし!」
「なってる金。」
「え!?うそお!」
「冗談金。ゼロ太。」
「僕は、黄色い服着てないぞ!」
ゼロイチがか細い声で言う。
「0点は取ったことあるけど………」
「ん?なんか言った金?」
「ナンデモナイヨー」
「で、どうする金。」
「明日、天林山に行くんだ。」
「ふーん。」
「えぇ、興味なさそ。あ、そうだ!ここはターラの世界なんでしょ!」
「そう金。」
「う、うん。まあ、いいや。今日は、寝よう。僕、テンションおかしいし。」
「それがいい金。」
ゼロイチは、寝室に行くと、寝る支度をした。
ターラが、一足先に横で寝ている。
「何してるの?」
「添い寝金。」
「いや、いいよ!」
「ただより高いものはない金。」
「へぇ、そうですかね。」
「真似するな金。」
「僕は、反対方向を見て寝ようかな。」
「ふーん。」
「なんだよー。」
「ふーん。」
「・・・」
「おやすみ金。ゼロイチが寝れるまでここにいる金。」
「お、おやすみターラ。」
「ふふ」
次回までどうぞよしなに!




