第二十五話 源二郎、再び
最近寒いですよね。
お体に気をつけてください。
では、本編へどうぞ!!
ゼロイチが朝起きると、千城チシが目玉焼きを作ってくれていた。ゼロイチは、それを確認すると、ガラシャはどこに行ったのかと千城チシに聞いた。
「大学だし。」
千城チシが、ゼロイチを見つめている。何か用事でもあるのだろうか。
「今日は、バイトするのかだし。」
千城チシは、どうやらゼロイチのアルバイトや、所持金を懸念しているようだ。
「もちろん。大学終わってからするつもりだよ。」
「ふっ、行ってらっしゃいだし。」
なぜか、鼻で笑われるゼロイチだったが、笑われることには、慣れている。
それにしてもだ、なぜ千城チシは、語尾に『ちし』とつけるのだろうか。気になるところである。
「行ってきます!」
ゼロイチは、大学まで時間がまだあったので、暇をつぶしていた。暇をつぶすといっても、これといってすることがないので、いつもと違う道を歩いていた。家から、大学まで、然程遠くないのだが、遠回りをしていた。
「お主、何をしておる。確か、ゼロイチだったか。少しばかり、付き合ってくれんか?そういえば、聞いてなかったのう。何大学じゃ?」
「え?なにするんですか?N大学ですけど………」
「ほう。そうか。ついてこい。」
遠回りをしていたのにもかかわらず、結局大学に行くことになってしまったゼロイチ。彼女は、源二郎である。鹿の角が特徴的だ。ゼロイチは何をさせられるのだろうか。
大学に行くのかと思いきや、近くの道場へと来たゼロイチ達。ここで、何をするのだろうか。ゼロイチには見当もつかない。
「ゼロイチ、貴様に剣の道を教えてやろう。準備はいいか?」
「え、あ、はい。」
ゼロイチは、剣道着に着替えると、竹刀を握った。竹刀は、思っていたほど重くはなかったようだが、十二歳のゼロイチからすれば、おもりを振り回すのと変わらない所業であった。
「10回だ。振れ。」
一度目は、良かった。一度目だけは良かったのだ。それからだった。とにかくきついのだ。ゼロイチは、汗水垂らしながら、竹刀を振り、なんでこんなことしなきゃならないのか。と、考えたり、剣道を覚える意味はあるのかと、考えていた。
十回振り終えると、クタクタだった。朝から疲れてしまった。
「やりましたよ。はぁ。はぁ。」
息切れしていた。ゼロイチは、慣れない運動に疲れていた。だが、源二郎は、何も言わない。
「なんのために、こんなことを。」
ゼロイチが問いかける。
「ふっふっふっ。いいだろう。教えてやろう。」
次回までどうぞよしなに!




