第十四話 職人の世界には夢がある
こんばんは。
最近チョコにハマっています。あ、本編と関係ないです。
では、本編へどうぞ!
「てなわけで・・・始めるぞー」
「あ、はいー」
「はいっ!」
ルミの甲高い声が、ゼロイチの脳内に響き渡る。
「おーい!一人やる気ないぞ!ゼロ円でいいのか!稼ぎたくないのか!馬鹿にされていいのか!鳶は甘くないぞ!心していけ!返事は?」
「はい。」
「ん?聞こえないぞ?」
「はいっ。」
「もっとでかい声だせ!!」
「はあいっっ!!」
「いいぞ!それでこそ男ってもんよ!腕ひとつで稼げる男になれよ!」
「はいっ!」
「じゃあ、質問だ。鳶職は、なぜ鳶と言う?」
「えっと、鳶に似ているからとか?」
ゼロイチは適当なことを言った。勘だったために当たらないだろうと思った。
「正解だ!『高所で作業する姿が空を羽ばたく鳶に似ている』からだ。」
「そ、そうなんですね。」
ゼロイチが小声でぼそっと言う。それを聞き逃さなかった。黄色いゴリラこと、左甚五郎は、ゼロイチの目の前までやってきた。顔を前に伸ばして、耳元で囁いた。
「今日の働き次第じゃ三万出してもいい。ふふっ。」
鷹鳶の仕事は、様々な種類があるのだが、今日は足場鳶という仕事をゼロイチは任せられた。鷹鳶には、人間離れした者がおり、左甚五郎のように怪力や跳躍力があり跳べるものや、ルミのように翼があり、飛ぶことができるもの。ゼロイチはというと、どちらにもふくまれなかったが、自分なりに頑張った。こうして一日が過ぎた。
時刻は、午後六時である。
「はぁ、疲れたな。」
「ゼロイチちょっと来い。」
左甚五郎が手招きで、ゼロイチに視線を送る。ゼロイチが何だろうかと、行ってみると、ルミが給料をもらっていた。自分はもらえないのかと諦めていると………
「今日の分だ。受け取れ。あっはっは!」
ゼロイチは一枚の封筒をもらった。普通なら、喜ぶのだが、ゼロイチはそれがなにかわからなかった。そのため、元気をなくして帰っていった。
「また、いつでも来いよ!あっはっは!」
ジンゴールの大笑いに背中を押されながら、ゼロイチは家に帰った。
「ガラシャいるかな。ただいまー。」
「おかえりでし。」
「え、新聞の子じゃん!なんで家に?」
「ガラシャちゃんと、友達でし。ちしっ。」
千城チシは、喋りながら手を振っている。
「そ、そうなんだ。ご飯どうしようかな。」
「作ったでし。」
千城チシは、掌を天井に向けて、嬉しそうな目をしている。
「え、ありがとう。チシちゃんだっけ?」
千城チシは頷いている。
「明日はここに行くといいでし。」
「ありがとう。」
ここまで、読んでいただきありがとうございます。
次回までどうぞよしなに!




