第十三話 ストレンジャー
バナナおいしいですよね。私は朝食はシリアル派ですけどね。
では、本編へどうぞ!
「新聞でし」
「え?誰ですか?」
ワニに乗った女の子が、新聞紙を抱えている。ワニのような色のジャケット、おそらくMA-1と思わしき服と、黒いマスク、赤紙、ピンクに近いが、髪と同じ色の目をしており、頭部からは黒い牛のような、もしくは龍のような角が生えている。足には黒いブーツを履いており、そこからスパッツが伸びている。胴体はというと、白いパーカーに、青色の短いスカートだ。
「これは、サービスでし。」
「え、なんだろう。」
そういうと彼女は、ゼロイチに握手をしてきた。五回ほど、縦に振り、最後の一回は大振りだった。優しく握っているなあと思われたが、手を放さないのだ。
「なんではなさないの?」
「あったかいでし。」
「名前は?」
「千城チシ。」
「ちし?」
「そうでし。」
「次の仕事行くでし。」
「ああ、ちょっと待って手放してよ!」
「行くでし。」
あれ、この方向は…ゼロイチは、チシがどこへ行くか察しがついた。
「着いたでし。バイバイ。」
ちしは手を振っている。
「あ、うん。じゃあね。また来る?」
ちしは、首だけ縦に動かした。
「んめえな。これ。」
この声は・・・
「ジンゴールさん!」
「ん?誰だい?お、兄ちゃんか。あたしゃ、今バナナ食ってるから待ってろよ。知ってるか、兄ちゃん。バナナは糖質の吸収が早く、朝食や運動時に適している。豊富な食物繊維により消化を助けるんだ。それに、腹持ちがいい。あと、低カロリーだから、ダイエットに適してんだよ。免疫力も高めだしなあ。あたしたち鳶にとってはマジでありがたい話、疲労回復に効果がある。働いたら、お腹すくだろう?でもよ、食欲をコントロールし、満腹感を長続きさせるんだなあこれが、あっはっは!」
左甚五郎は、今日も黄色のスパッツを履いている。何枚持っているのだろうか。
「はあ、僕もたべようかな。ははは。」
「おっとっと、あああああああああ!!」
上から声が聞こえる。誰かが叫んでいるようだ。
「え、なに?」
「ああ、ルミか。よっと。」
「あ、ありがとうございます………姉貴。」
「構わねえよ。ルミ重くなったか?」
「飛べるから実質ゼロです!」
誰かと思えば、メガネの落とし主である。ゼロイチは気づくのだろうか。
「は、はあ。君がどうしてここに?ルミ?だっけ。」
「聞きたいのはこっちです!ゼロイチ!」
「兄ちゃんゼロイチって言うのか。よろしくな!ゼロイチ~。」
「はい!姉貴!あれ?」
見逃していたのだ。ゼロイチはルミの顔を見た。
次回までどうぞよしなに!




