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सरस्वती 僕と〇〇〇のターラ  作者: ARATA
一と言って二とない
1/60

第一話 始まりの屋敷

始めに、十五分に一度の休憩を推奨します。

人間が、集中できると言われている時間は、15,45,90分と言われており、この時間は学校の授業や、スポーツの試合、映画などにも取り入れられています。

まあ、早く読める方に関しましては、関係のない話でございますが、試しに三十秒だけでも目を瞑ってみてください。スッキリとした感覚を覚えるはずです。

これで、準備は整いましたね。

では、本編をどうぞ!




ある日のことだった。丑三つ時。僕という男の子は、とある屋敷にいた。古びた屋敷だった。何の変哲もない屋敷だ。

眠れずにいたので、先程召使から教えてもらった数を数えるを実践していた僕。


「いち」


「に」


「さあああん」


「さ、え?うわあああ!」


僕は、泣き出した。背後から声が聞こえたのだ。聞いたこともない声だ。だけれど、どこか人に似ていると、僕は思った。この声の主は………

考えてもわからない。なぜなら聞いた事のない声だからだ。僕は、ひたすらに怯えた。体の全身が震えていた。僕が腕を見ると、鳥肌になっている。体も大音量で、これは恐怖だと訴えている。

怯えながらも、ゆっくりとゆっくりと後ろを見た。


「そこには誰もいない。」


「うわあああ!」


誰だろう。僕が考えていると、テレビがついていた。偶然なのか。心霊番組だ。こんな暗闇のなかで、テレビなどつけていただろうか。

テレビはよくある心霊番組で、恐怖を仄めかすような写真が次々に、不気味なナレーションと共に、画面いっぱいに出てくるではないか。


「こんなのみたくないよ」


 僕は、チャンネルを変えた。


「あれ?おかしいな。」


 どの番号を押しても、テレビの画面は所謂砂嵐の画面ばかりで、押したくはなかったが、心霊番組のチャンネルに切り替えると、まともにテレビを見ることができた。

 その、異常さがさらに恐怖を誘った。


「なんで?なんで?なんで?」


「ニョキ。」


「わああああああ!」


 テレビから顔が生えてきた。異様な光景だ。女性の顔だろうか。髪が前方向に垂れている。かの有名なホラー映画を彷彿とさせる。


「教えてやろう(かね)?」


「しゃべった!」


「怖くないの(かね)?」


 女性と思われる顔は奇妙な語尾をつけながら、僕に質問を続ける。


「こわくないよかね!」


 女性は、誰が見ても美人と思われる顔をしており、僕もそれ故か、親しみを抱いていた。


「勇気あるあなたに私の世界へ招待する金。」


 女性は、テレビから透き通った白い肌の腕をまるで、水面(みなも)から宙に上げるように出した。何をするのかと思えば、そのまま僕を引きずり込んだ。


「うわああああ!まって!」


「なに金?」


「トイレいくからまって!」


 僕は、必死で嘘をついた。見え見えの嘘だった。


「こっちでいけばいい金。」


「た」


「す」


「け」


「t・・・」


 屋敷の中が急に静かになった。召使が不思議に思ったのか、先程僕のいた部屋へとやってきた。


「坊ちゃまああああ!どこですかあああ!」


 返事はない。僕は、テレビの中へ引きずり込まれてしまったのだ。しわがれた声だけが、部屋に響き反響した。召使の老婆は、しくしくと泣き、おそらく、僕の物であろう、片方の靴下を強く抱きしめ、床の畳をグッショリと濡らした。



次回までどうぞよしなに!

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