詩 茨姫の物語
掲載日:2023/07/14
雨をもたらす存在
緑を呼ぶ巫女 茨姫
世界のために
皆のために
毎日 祈りを天へと捧げる
一日もかかさずに
毎日かかさずに
いつだってその事だけを考えて
どんな時だってその事だけを心にとめて
けれど 雨は降らないまま
けれど 恵みは与えられないまま
世界は枯れたまま 変わらない
世界は潤わないまま 変わらない
人々は茨姫を責めた
お前の怠惰のせいだと責めた
もう他に方法がないからと
もう他にすがるものがないのにと
悲しみながら 怒りながら
可哀想な茨姫
報われない茨姫
棘だらけの茨籠の中に閉じ込められ
ずっとそこから出られないまま
枯れ尽きていく世界を眺めるしかできない




