詩 茨姫の物語
雨をもたらす存在
緑を呼ぶ巫女 茨姫
世界のために
皆のために
毎日 祈りを天へと捧げる
一日もかかさずに
毎日かかさずに
いつだってその事だけを考えて
どんな時だってその事だけを心にとめて
けれど 雨は降らないまま
けれど 恵みは与えられないまま
世界は枯れたまま 変わらない
世界は潤わないまま 変わらない
人々は茨姫を責めた
お前の怠惰のせいだと責めた
もう他に方法がないからと
もう他にすがるものがないのにと
悲しみながら 怒りながら
可哀想な茨姫
報われない茨姫
棘だらけの茨籠の中に閉じ込められ
ずっとそこから出られないまま
枯れ尽きていく世界を眺めるしかできない




