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コモ・エスタは静かに暮らしたい~魔王と勇者の間に生まれた子供は、とんでもなくチートでした!~  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第1章【王都魔法学園】

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第18話《密着解析》



「駄目ですよぉ〜……コモさまぁ。焦っちゃ、いけません。ゆっくりと、心を落ち着けてください」



 肌と肌を密着させた状態で、メリアは静かに耳元で囁いてくる。耳元に掛かる熱い吐息。リアルな息遣いが、ミリアの温度を感じさせる。



 断っておくが、決していやらしい事をしている訳ではない。神魔竜の持っているもう一つの力――神氣じんきとやらの解析のために、メリアの力の源を探っているのだ。



 メリアと組手をやっていても、まったく力の仕組みが理解が出来なかったのだ。というのもメリアからも、オリオンのような魔力の『密度』を感じたのである。魔力の総量こそは俺よりも遥かに下なのに、異様に濃い密度に違和感を感じたのだ。




 神魔竜の魔力そのものは、以前に解析していたのだが、魔力とは別種の力を宿しているのだとメリアは語っている。





 神魔竜は竜族でありながら、神族の力をも有している。神の持つ力を根底に置いているので、異様な魔力の密度を可能にしているのだという。




 神氣じんきに魔力を宿す技術わざは、ごく最近に確立できたらしい。なので免許皆伝である俺が、知らないのも当然である。




 言葉よりも実際に感じてみるのが、何よりも手っ取り早いだろうと言うので抱き合うことになったのだ。




 ミリアの柔らかな肌と温もりが、妙な気不味きまずさを感じさせるが致し方ない。神氣じんきとやらを実際に感じてみなければ、解析も出来ないのだ。




「焦っちゃ駄目ですよぅ、コモさまぁ。心を落ち着かせて、メリアのもっと奥底を感じて下さい」




 解ってはいるのだが、この状態はあまりにも落ち着かない。年頃の男女が、こうも密着しているのだ。落ちつく訳がなかった。



「ゆっくり、メリアがリードするですよぉ〜。痛かったら、言って下さいねぇ〜」




 何かが俺の身体を包み込んでいくのが、感覚的に解った。温かくて、柔らかな何かだ。その正体が、理解わからないのだ。れを理解するまでは、オリオンは愚かメリアにも勝つことが出来ない。だが、こうしてメリアと抱き合うのも、気が引けるのだ。



「もぉ~、コモさまぁ。違うこと、考えてませんか!」




 頬を膨らませて、怒りを露わにするメリアが何故だか愛おしく感じた。そう思った時、照れくさいような感情が俺の奥底から沸き起こった。



「いっつも、メリアを見てくれないんだから。ちゃんと、メリアを見てください!」




 そう言って、真っ直ぐな瞳を向けるメリア。少しばかり面食らいながら、俺はメリアを見つめ返した。



「すまん、メリア。俺が悪かった。もう1回、頼まれへんか?」



 抱き合ったまま、見つめ合うのは照れ臭かった。だけど、そんなことは関係ない。俺はちゃんと、メリアと向き合わないといけない。



 ――そう、思ったんだ。



「解りました――コモさま。もう一度、目を閉じて下さい」



 優しく俺を抱きしめるメリアの身体が、温かった。いつの間にか照れ臭さが消えて、心地よく感じられたんだ。



 ゆっくりと、目を閉じると優しい光りを感じた。




「ゆっくりと、メリアに身を委ねて下さい」



 穏やかな気持ちになって、身体の内側から柔らかな温もりが溢れだしてきた。これが、神氣じんきというやつか。神のみが宿せると言われている霊的な力。本来ならば人と魔族のハーフである俺には宿せない力だが、ガルマの爺ちゃんには神竜じんりゅう族の血が流れている。



 その血脈はしっかりと、俺にも受け継がれているようだ。なのでメリアを通して、俺の内側からも、神氣じんきとやらが溢れ出してきたのだ。



「コモさま、凄いですぅ〜。もぅ、神氣じんきを習得しちゃったんですかぁ?」



 驚きの声で俺を見つめるメリアの笑顔が、可愛らしいと感じて――何故だか、腹が立った。




 良く解らない感情が、俺のなかで芽生えていたんだ。



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