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コモ・エスタは静かに暮らしたい~魔王と勇者の間に生まれた子供は、とんでもなくチートでした!~  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第1章【王都魔法学園】

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第12話《お鍋は美味しいでござるなぁ!》


「パパ上。ゴマを、振ってくだされ!」

「解っとるがな、ハウちゃん!」



 ハウゾウが待ち切れないのか、オトンに催促を始めている。

 基本的に彼女は食いしん坊なので、食べることになると黙ってはいない。ゴブリンやオークの新鮮な肉と、野菜を味噌ベースの出汁で煮込まれた鍋は食欲をめちゃくちゃ刺激してきていた。



 ハウゾウでなくとも、待ち切れなくなるのは頷けるな。



「パパぁ~。ハウタも、ゴマいっぱいが良いんに!」



 言われるがままに、オトンはゴマを振りかけている。

 我が家のゴマは、神々が住まう神聖世界(ヴァルハラ)にのみ生息する神樹菩薩(ユグドラシル)の根をもとに、生成された特別製である。普通のゴマとは別次元に香りが違うのだ。ゆえにゴマだけでも、かなり旨いのだ。



「昼間に、ガルマのオッサンが来てなぁ。刃紡竜骨(じんぼうりゅうこつ)を、分けてくれてん!」

「マジか。めちゃくちゃ、レアな竜骨やん!」



 ガルマのオッサンとは、オトンの叔父(おじ)に当たるのだが――ようは、俺の爺ちゃんだが――竜族の住まう神竜界に住んでいる。

 竜骨は良い出汁が取れるのだが、絶滅危惧種である刃紡竜(じんぼうりゅう)は数も少ない上に、めちゃくちゃ強いのだ。全身の竜鱗(りゅうりん)は、刃のように鋭くて硬いのだ。その肉は硬くて食べられないが、骨を煮込んで出汁を摂ればどんなものでも絶品の料理となる。



「細かいことは言わんから、とにかく食うてくれ!」



 鼻腔をくすぐる濃厚な香りは、さきほどから胃袋を激しく絞めつけている。

 腹が減って、仕方がなかった。



 まずは、出汁の味からだ。

 程よい熱が、舌を湿らせる。濃密な味噌の香りの奥からは、刃紡竜骨(じんぼうりゅうこつ)の重厚な旨味を感じた。神樹菩薩(ユグドラシル)の根で作られたゴマの風味が、極楽浄土の風を運んでくるような錯覚をさせる。



 ――これは、ガチで旨いな。



「美味しいで、ござるよ!」

「美味しいんに!」



 ハウゾウとハウタの感嘆の声を尻目に、俺はゴブリンの肉を頬張っていた。

 あっさりとした淡泊な味わいに、味噌の旨味が絡みついてくる。これは、いくらでも食べれそうだ。



 気付けば皿は、空になっていた。

 無言で器を差し出すと、オトンが笑顔でおかわりよそってくれていた。



 ハウゾウとハウタが同じように、おかわりを催促していた。



「やはり、お鍋は美味しいでござるなぁ!」



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