第11話《オトンの自信作》
「おう、お帰り。学校は、どないやった?」
「最悪やで、オトン……」
エプロンにハチマキ姿の魔王が、笑顔で出迎える。
ハウゾウとハウタが、空間を歪めながら出現していた。彼女たちは家では、自由に出入りできるように契約をしている。
「パパ上、聞いてくだされ!」
「コモが、ハーレム作ったんに!」
ハウゾウとハウタが口々に告げるのを、オトンは嬉々として聞いている。
オカンはまだ、帰ってきていない。
「やるやんけ、コモ。さすがは、俺の息子やな!」
うんうん――と、オトンは満足そうに頷いている。
一般の男どもは物にした女の数を、男のステータスかなにかと、勘違いしている節があるようだ。それはオトンも同じなのか、誇らしげにしている。
「それが、最悪やって言うてんねんで?」
「なんで、最悪なんや。ブサイクばっかりなんか?」
不思議そうに、こちらを見ている。
どうやら、本気で大真面目に不思議がっているようだ。俺がおかしいのだろうか。女にはまったく、興味がなかった。面倒くさいだけの生物としか、思えないのだ。
「拙者が見る限りでは、可愛らしい女子たちでござった!」
「ハウタには、負けるんに!」
要らぬ報告である。
ハウタが可愛いことに関しては、同感である。ハウゾウとハウタは、俺の可愛い妹たちである。
「なんやねんな、コモ。どんなけ、面食いやねん?」
「もうえぇわ、オトン。疲れるから、飯にしようや!」
このまま口論していても、なんにもならない。
オトンがエプロン姿であるなら、食事の支度はできているはずだ。
「ママは、まだ帰らんのか?」
「オカンは、飲み会らしいわ。あとで、迎えにきてやってさ」
教員たちの集まりに、勇者が出ない訳にはいかないだろうからな。
それにしても、腹が減った。奥からは、濃厚な味噌の香りが漂っていて、食欲が掻き立てられた。
「今日は自信作やで?」
誇らしげに、オトンが笑っている。
こんな時の料理は、ガチで旨いのだ。そこらへんのシェフが作るよりも、オトンの作る飯は旨いのだ。
「鍋もそうやけど、魔獣も自信作やで!」
「マジか?」
めちゃくちゃ、ドヤ顔のオトンである。
こんな時のオトンは、ガチで期待が持てるのだ。
オトンと俺の共通の趣味が、魔獣の作成である。
元々は俺が趣味で作っていたのだが、それを見たオトンが介入してきてガチでハマってしまったのだ。
「まずは、飯やな。期待してるで、オトン!」
「任せろ!」
俺を倒せるほどの魔獣を作るのが、俺とオトンの共通の趣味である。
そのオトンの自信作だ。
楽しみで、仕方がない。
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