第10話《嫁に貰いなさい!》
周囲にいる女子全員が、倒れている。
誰一人として傷付けてはいないが、皆が甘い夢を見ているのか顔がにやけている。俺の放った魔術で、幻覚睡眠に陥っているのだ。
「あらあら、コモちゃん。それで、本当に良いのかしら?」
「どういう意味や?」
オカンの問いかけの意味が、理解らなかった。
「甘淫魅惑なんて掛けたら皆、貴方の虜になっちゃうでしょ?」
なんてこった。
言われてみれば、そうだ。後のことを全く考えていなかった。
夢から醒めた時に、俺に夢中になってしまうではないか。
このままでは、不味かった。すぐに術式を、解除しなければならない。俺への甘淫魅惑を、別のものに上書きしなければいけない。
「お馬鹿さんねぇ、コモったら。貴方の全力の術式を、発動したのよ。いくら貴方でも、簡単に上書きできる代物ではないはずよ?」
「うるさいなぁ、オカン。いま集中してるねんから、静かにしてや?」
先ほどと同じ精度の出力で、別の夢を見させている。
女子は基本的に、甘い食べ物が好きだ。なので、スウィーツの夢を見せている。
「女を理解ってないわねぇ。年頃の女の子をその気にさせたら、簡単には諦めてくれないわよ?」
自身の術式があまりにも強力すぎて、それを上回る甘美な夢が生み出せない。
このままでは、クラスの女子全員が、ハーレムになってしまうではないか。それだけは、絶対に避けなければならない。メリアだけでも面倒なのに、さらに5人も増えてしまっては厄介でしかない。
「ちゃんと責任、取りなさいよ。男でしょ?」
「子供が出来ましたみたいなノリで、言わんといてくれるかな?」
「何言ってるのよ、コモ。入学初日から、クラスの女子をハーレムにしてるんだから、まとめて嫁に貰いなさいよ!」
「それは、さすがにアカンやろ!」
めちゃくちゃな、理屈である。
「大丈夫よ。パパに頼めば、この国を一夫多妻制にするのなんて訳ないわよ?」
「いや、オカン。そういう問題と、ちゃうやろ!」
入学初日から、何ということだ。
何としても、彼女たちの洗脳を解除しなければならない。そうしなければ、ラブコメ漫画みたいな学園生活を送らなければならない。
そんな地獄は、何がなんでも避けなければならない。
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