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第1話《不平等な世界》

とりあえず、書いてみます。

文体は、ゆるくも固くもできるので、要望があれば何でも言って下さいね。


「この世は、なんて不平等なんだろう……」



 校門のまえに佇む少女が、ため息まじりに呟いた。

 それについては、同感だ。全てのものは、生まれてくる時に親を選べない。


 どんなに願っても、祈っても、やり直しが効かない不平等な世界(システム)のもとに俺たちは生まれてきた。



 目の前の少女は、見るからに貧乏そうな身形をしている。きっと、己の不遇(ふぐう)を嘆いているのだろう。

 とは言えだ。


 ここは基本的に名門貴族しか、入学することのない王都魔法学園である。

 本来ならば、少女のような低身分のものは、足を踏み入れることすらできないのだ。



「コモ様ぁ~。どうしたんですかぁ~。そんなところで立ち止まってないで、行きましょう~?」



 アホそうに語尾を伸ばしてメリアは、俺の腕を引いた。

 彼女は神魔竜グラナスの娘だ。


 かつて魔界を恐怖の渦に巻き込んだと言われているあの神魔竜グラナスである。



 辺りを見渡すと、あちこちに色んな種族の若者が校門を潜っていた。



 10年前に、魔王ビッグ・エスタと勇者エルザは激しくぶつかり合った。

 三日三晩の死闘を繰り広げたすえに、両者の間には恋心が生まれたのだそうだ。



 そして、半年の交際の結果、俺が生まれた。

 両者の血を、色濃く受け継いでいる。血は水よりも濃いってやつだ。魔王の魔力と、勇者の力を、俺は継承しただけではなく、突然変異レベルの力を持って生まれたのだ。



 幼いころ――正確には赤ん坊のころから、その才覚は際立っていたらしい。

 誰も俺には、勝てない。オトンも、オカンも、大魔王である爺ちゃんもだ。



 さきほど話しに出た神魔竜グラナスとは、5歳の時に闘ったことがある。

 すっかり牙が抜けてしまったオトンを不甲斐なく思った神魔竜グラナスが、オトンに喧嘩を売りにきたのだが留守だったのだ。そんな訳で代わりに俺が応対をしたのだが、いきなり最強クラスの術式を発動してきたのだ。



 なので、手に持っていたナイフとフォークで応戦してみたら、すっかり気に入られてしまった。

 そう言ったいきさつで、娘であるメリアを俺に預けてきたのだ。



 よくあるウチの娘を是非、嫁に貰ってくれと言うやつだ。

 メリアは見た目は、悪くはない。そのうえ、性格も温厚で慈愛に満ち溢れている。父親とは真逆の性格でありながら、父親の力をはるかに超えている。


 どうやら魔王や神魔竜レベルの子供は、より強く進化(アップグレード)されて生まれてくるようだ。


 強くて美しく、慈愛に溢れたメリアは誰もが、振り返るほどの逸材(いつざい)だ。いまも全ての生徒が、メリアを振り返っている。

 最強のステータスを、メリアは持っている。


 ――ただし、アホなのだ。


 足し算、引き算まではかろうじて出来るが、九九ができない。まぁ、そんなことは、どうでもいいのだが。



 メリアを、嫁にする気はない。

 俺はただ、静かに暮らしたいのだ。神魔竜グラナスの娘なんかを(めと)ってしまったら、絶対に周囲が放ってはおかない。なので、結婚など論外だ。



 さて。

 話しは逸れてしまったが、この世界はオトンとオカンのせいで、ひとつに 繋がってしまった。


 ありとあらゆる生物・種族が共存共栄をしている。



 ここ王都魔法学園には、世界中から『最強』を自負する連中が集まってくるのだ。

 そんななかでも、俺だけが突然変異クラスに強い。ついでに、メリアも俺の次に強い。魔闘級で言えば、5000無量大数(むりょうたいすう)だ。



 数の単位は、下から順に一、十、百、千、万、億、兆、(けい)(がい)(じょ)(じょう)(こう)(かん)(せい)(さい)(ごく)恒河沙(ごうがしゃ)阿僧祇(あそうぎ)那由他(なゆた)不可思議(ふかしぎ)無量大数(むりょうたいすう)とある。



 そしてそのさらに、先のさきのはるか先にある最高単位が、不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)である。

 俺の魔闘級は、9999不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)とガチでふざけている。



 魔王や神魔竜が、5000那由他(なゆた)ほどだ。

 はっきり言って、規格外の数値だ。



 まったく俺たちは、不平等な世界(システム)のもとに生まれてきたものだな。

 そこそこのレベルで、静かにひっそりと暮らしてみたいものだ。



読んで下さり、ありがとうございます。

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