「ヴィーガン=健康」というデマについて
世の中には、健康を理由にヴィーガンになるという人がいるらしいですが……正気なんでしょうかね、その人たち?
はい。「ヴィーガン=健康」と考える人は馬鹿と言い切る猫の人でございます。
しょっぱなからヴィーガンにケンカを売っているように見えますけど、全然そんなことは無いエッセイですので、ヴィーガンの方でも安心して読める内容となっております。
この話をする前にこのエッセイにおけるヴィーガンの定義をはっきりさせておきますが、「動物の商業利用の一切を否定する人たち」という認識で話を進めたいと思います。
あと、ヴィーガンの中でも勢力の強い「環境」「動物愛護」に関しては、今回は取り扱いませんので、悪しからず。
「宗教」? ヴィーガンを教義に掲げる宗教があれば、是非教えてください。調べてもそちら方面は見つからなかったので。
さて、最近世間に注目を浴びているヴィーガンですが、その中には頭にプリンでも入っているかのような人が流したデマ情報、「ヴィーガンは健康的」という詐欺情報が出回っており、それに騙される人がいることに私はとても驚いています。
まぁ、ちょっとでも頭の回る人なら、これが嘘情報である事は一目瞭然です。
まず、ヴィーガンの方々は動物の商業利用を否定しているため、身の回りのものに動物由来の製品があってはいけません。
私は牛の革のベルトや財布を所有・愛用していますけど、これもアウトなんですね。
では、お聞きしますが、これのどこが健康と関係があるのでしょうか? 動物由来の品の中には、分かりやすい所でインテリアの剥製などもありますけど、これの所持と健康にどんな関連が?
関係ありませんよね。つまりはそういう事です。
こう言うと、「ヴィーガンは完全菜食主義だ」と主張されるでしょう。菜食主義だから健康なのだと。
なので、次はこの菜食について。
最初にぶちかましますが、菜食主義は健康的ではありません。
断言出来ます。
何故かと言うと、菜食主義になる事と、栄養バランスの良い食生活とは“無関係”だからなんですね。
菜食主義は良いのです。菜食主義でもバランスの良い食事はできます。
ですが、「バランスに気を付ける事」と「菜食主義」は無関係なんです。
極端な話、大豆製品だけしか食べなければ体を壊すのですよね。
完全菜食主義では、肉食よりも栄養バランスの調整が難しく、健康被害が出る人が多くいます。
健康になると主張する人にとっては残念な事に、これは一般的なヴィーガンの間では常識で、「いきなり菜食に切り替えると体を壊すよ」と優しく注意している方もいます。
それと、栄養バランスに細心の注意を払っていてもヴィーガンになった事で体を壊す人はいます。
このあたりは調べてもらえば分かる事ですが、海外の有名俳優がヴィーガンでいたために体を壊し、ヴィーガンを止めると宣言していました。個人の体質の話ですが、ヴィーガンになったら健康になるとは限らないのです。
「ヴィーガンでも健康になれる」が正解なんですよね。
今度は「肉を食べると不健康になる」と主張されそうですが、肉を食っていても100歳を超える長寿の方もいますよ。
この主張には穴があるとしか言いようがありません。
で、「肉食よりも菜食の方が健康的だ」と言われそうですが、菜食にもリスクはあるんですよね。
当たり前ですけど、どんな食べ物にも一定のリスクが存在するのです。
「これを食べれば健康!」などという都合の良い話など存在せず、バランスを気にしつつ色々と食べて生きるのが正解でしょう。
正直なところ、健康面におけるヴィーガンはダイエットブームなどと同じ程度にしか見ておりません。
「リンゴダイエット」「豆腐ダイエット」「バナナダイエット」など、いろいろありましたよね……。あれらと同レベルです。
「やれば健康になる」と言われて、多少は効果があったように見えて、実際はたいして効果が無かった。その程度です。
もちろん、本格的にやれば健康になるでしょう。
ですが、それは“本格的に頑張ったから”であって、ただヴィーガンになったから、という訳ではないと思います。
結局のところ、ヴィーガンとは軽い気持ちで手を出すべきではないと、断言します。先輩諸氏からアドバイスを聞き、計画性を持って取り組むべきでしょうね。
真剣に取り組めば、効果がある“かもしれません”。
もともと、ヴィーガンが健康的という誤解は、現代日本人が抱える肉・塩分過多の、現代食習慣の問題が起点です。
これは日本人平均からの統計的な話になりますが、「塩分は30%ダウン、カルシウム・野菜は30%アップ」が厚生労働省の掲げる健康目標になります。
そしてあまり触れられてはいませんが、40歳以下の男女であれば肉類は50%ダウンが望ましい、という話も出ています。
いくつかの栄養学の本を見ると、「野菜>肉」の比率を推奨している物がほとんどで、野菜は最低でも肉類と同量、可能なら肉の4倍食べた方が良いと言われています。野菜より肉、と言っている方はそうとうなマイノリティでしょう。
食習慣において、野菜多めが健康的なのは間違いなさそうです。
肉の食べ過ぎが健康に悪い事に関しては、深い説明など要らないでしょう。太るし、コレステロール増加と老化加速の原因ですからね。
高齢者に関しては筋肉の衰えを防ぐ目的でもっと肉を食べた方がいい、という話もあります。筋肉の衰えを防ぐには、やはり肉食がベストというのが一般的見解ですからね。
一部の必須アミノ酸は肉食で取るのが最も効率的なのです。
歳を重ねると、肉を食べるのが辛くなるらしいですが、頑張ってください。
要は、昔から肉食を減らし菜食を増やすことが健康的であると言われているだけなのです。
健康を主張するヴィーガンはそれを拡大解釈して、肉をゼロまで減らして、野菜だけにしようとしているわけです。
ヴィーガンの掲げる完全菜食主義は、「やり過ぎ」であって、健康目標からは外れているんですよね……。
個人的にお勧めは、ヴィーガンではなく、「ゆるベジ」などの、菜食を“取り入れた”食習慣でしょうか。
週に一回ぐらい、肉を食べない日を作るのも良いかもしれません。
極端に走り過ぎる必要などありません。
あと、食品開発関連の方々が代替肉・疑似肉、肉モドキを開発しているので、それがもっと洗練されれば肉食が必要なくなるかもしれません。
ですが今はまだ、その時ではないのですよね。
味も栄養価も、まだまだと言わざるを得ません。
いや、味の評価は私の趣味が入っていますけどね。
ヴィーガンが一般化するのは、もっと技術の進歩を待つ必要があります。
未来の話であれば、可能じゃないかとは思うのですよ。
ふと思ったんだけど、「代替肉」ならぬ「培養肉」はアリなのかな?
培養肉は動物を殺してはいないんですよねー。