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御神渡りを渡って  作者: ゴハン
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2/5

模索

朝日がカーテンの隙間から漏れている部屋

「徹さん、朝ですよ」

良く通る声を聞いて朝が始まった。

昨日の出来事など嘘のようだ。


…


「はい、神です」


神と名乗った神白さん

タオルを巻いていてくれてよかった。

と、そういうことではなくて焦っていると

「実はちょっと困ったことになりまして」

こちらの様子を気にせずマイペースに話だした。

神白さんはあの湖の3代目の神様で、毎年の正月になると身を清めるため降りてくるという。

そして毎年先代と一緒に降りてきていたが来年から一人で行う初めての正月、

下見のためにちょっと早めに降りて来たはいいけど霊力が足りず帰れないということらしい…

なんとも

「間抜けとか思ってません?」

いえいえそんな滅相も…まさか心読めたり?

「そんなこと読むまでもなく顔に書いてますよ」

読めはするのか、気を付けないと

「まぁ今はほとんど普通の人間と変わらないくらいなんですけどね」

最低限存在することによる不都合の影響を少なくするという能力だけは使えるらしくそれが家の母親に影響を与えているとのこと

実際に神として認識して見た自分には掛かりが弱かったようだ

どうやって帰るのかと聞いたところ湖が凍ったときに霊力が十分溜まっていれば帰ることが出来るらしい。

「お願いします。しばらく置いていただけないでしょうか?」


…


まぁ可愛い女の子に頼まれたら仕方ないよな。

うん、仕方ない。


階段を下りてトーストにバターを塗り目玉焼きとベーコンを食べ学校へ

「早く行きましょう」

ん?神白さんも?

「幼馴染ですからね」

えへへと笑う。

…まぁ何があるかわからないし矛盾のない行動なのだろうけどきっと…

「お前はいいよなぁ!毎朝幼馴染が起こしてくれるんだろう!しかも神白さん!」

あぁ…やっぱり…

学校着くなり同級生の田中に絡まれた。

田中は中学校からの親友であり悪友、悪いことといえば学校帰りに買い食いやゲーセン等をして一緒に怒られた仲だ

やはりしっかりと影響してるな、すごいな神白さん。

「でさー、藤山!帰りちょっと寄ってかないか?最近調子いいから今日はお前に勝ち越せる気がするんだ」

レバーを動かすジェスチャーをする田中

最近付き合ってやってないからなぁ、たまには付き合ってやるか

いいよと返事をすると

「ぼっこぼこにしてやる!」すごい嬉しそうだな田中

教室では不思議と席が一つ増えていた。

神様パワーすげぇ。


授業中、神白を見てみる。

どこからともなく仕入れているノートに教科書

休み時間は友達?と思われる女子と談笑している。

う~ん、自然だ…すげぇ。


キーンコーンカーンコーン

授業も終わりさて、帰るかというところで田中に捕まる

「まさか帰るつもりじゃねえだろうな」

あ、そうだったな。すまんすまん

「おまえ…ジュースで勘弁してやろう」

仕方ないな、じゃあ格ゲーで勝ったらおごってやるよ

「言ったな、べっこべこにしてやる」

う~ん、ちょろくて助かる。

…

べっこべこにしました。


一日が終わり帰り道


特に世間知らずというわけでも無く溶け込んでいた神白さんに疑問をぶつけてみる。

「まぁ神ですから、人の営みは大体理解してます。」

なるほど

それなら先日のお風呂場襲撃とかはやめていただけると健全な男子としては助かります。

何か間違いがあると大変なので

「そそそそそれはその、私もどういうことかはりかいしてお…ごにょごにょ」

????

まぁ今後ともよろしくおねがいします

「はい、よろしくお願いしますね」


帰宅し、ベッドに腰掛ける。

昨日はいろいろなことがあったと記憶を辿る

考えていると部屋の扉がコンコンとなった

「少し、よろしいでしょうか?」

神白さんが部屋に来た。

「先日も言った通り帰る手段を一緒に模索してほしいのですが」

特に予定もないですし、いいですよ

「ありがとうございます」

それで具体的には何を?

「それはですね…その…せせせ…接吻を少々」

はぁ接吻…日本語で言うとちゅう?KISS!?

いやあそういうのはもっとですね、大人になってから

「高校生なんですから、もう経験済みかと…案外お子様なのですね」

おぉ煽られてる

いいだろう、やってやろうじゃないか

後悔しても知らないぞ

「では」

顔が近い

息がかかる

歯磨いたっけ?

鼓動がうるさい

大丈夫?変な顔してない?

それはそれとして綺麗な顔だ

緊張して息が…

くるし…


「きゃー!」


目が覚めたらベッドで寝てた

目の前には心配そうにこちらを見ている神白さんがいた

神へと渡す霊力が少なすぎてキスをする前に死にかけたらしい

一般人ですからね、俺

残念無念

その夜、俺は枕を濡らして一人で泣いた

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