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最強騎士だったけど転移したらニートだった件 (仮)  作者: さいだー
???

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94/123

えありあるふぉーす

雪山の遥か上空

高さは……皆目検討がつかないが落ちたらただじゃあすまないくらいの高度を現在飛行中。


鳥になりたいななんて馬鹿げたことを学生の頃はぼんやりと教室の窓から外を眺めては考えたりしていた、が

今回の事で俺は悟った無理だ

俺には無理だ

鳥にだけはなりたくない

もし生まれ変わっても鳥にだけはしないでくださいお願いします。

神様セイラ様!



そんな上空でガタガタと震えている俺がどうやって空を翔んでいるのかと言えばセイラから与えられたヒナのスキル『エアリアルフォース』(スキルの命名はノエル)


ノエルも中々の中2病なんじゃないだろうか?

初めて会った時に魔法使いがどうのこうのとかセイラに言われていたのも納得だ。


しかし諦めないで欲しい

どんな奴にも見合う相手はいるはずだ

きっとそうだ

いやそうであって欲しい……


俺だってきっと……



閑話休題


スキル名はかっこいいがやっていることは物理的

俺の腕くらいなら引きちぎってしまいそうな立派なヒナの(あしゆび)で馬車の荷台を直接吊り上げてそのままFly Away!


ってな感じだ。

ヒナが疲れてもし落としたらなんて思ったりもしたがそんなことは無いらしい

セイラの説明によればこのスキル『エアリアルフォース』はもともと野生のハツカコンドルならどんな個体でも獲得しているスキルで、捕まえた巨大な獲物をどんな遠くからでも巣まで運ぶために何十キロも運搬可能にするスキルなんだと言っていた。


ちなみにユニのスキルは自由に体の大きさを変えられるってもので今は小型化して大型犬くらいのサイズになって一緒に荷台に乗っている。



しかしだ頭では絶対に落とさないわかっていても絶叫マシンなんてもっての他な俺がどんな状態かと言えば……


「恐い恐い恐い恐い」

荷台の中央で毛布を頭から被りなるべく外の情報を取り込まないようにしているが


他の三人の会話が嫌でも聞こえてくる

なんでこいつら平気なの……?



「凄い…高い…うふふ…ジェットコースターみたいで…面白いね…!」



「面白くはないですが

ところで姐さんじぇっとこーすたー?ってのはなんなんですか?」



「ジェットコースターはね…乗り物…!

凄く楽しいんだよ…!

ねえノエルちゃん…?」



「えっ?あーまあそうね

でも私はあんまり好きじゃないわ

だから自ら望んであんなのに乗ったりしない

取材の企画で乗せられた事はあったかもしれないけど」




「ほら見てノエルちゃん…地面があんなに遠いの…!


あの木だって…きっと大きいはずなのに…私の指で隠せちゃうよ…!」



「この子ったらまったく人の話聞いてないわね……


ちょっとネム落ち着きなさい危ないわよ


落ちたらただじゃあすまない高さなんだからこっちへきておとなしくしてなさい」




「あれ…?

あれって……


ノエルちゃん…沢山の人がいる…

多分全員白い服を着ているから…雪と重なって見づらいんだけど…」



「はあ……こんな所に人がいるはずないでしょ

人が踏み入れない場所だから私達もこんな苦労をしているんじゃない


何かの見間違いよ

そんな事より早くこっちに来なさい

ユニの横で大人しくしているの!」



「そうですよ姐さんこっちは自分に任せて前方に移動してください

さああちらへ」



「うん…わかった…」


誰かが俺の横を()うように前方に向かい通りすぎていく

会話からしてネムだろう



「そうあなたはここで大人しくしていなさい

ただでさえ危なっかしいんだから」



「…うん…」



その時だった



「ピィーーーーピィーーーーーピィーーーーーピィーーーーー」



「なにこの音?


もしかしてヒナ?

どうしたのよヒナ!?」



今まで大人しく翔んでいたヒナが俺達に警告を発するように

危機を訴えるように鳴き始めたようだった。


次の瞬間突風に煽られたのか荷台が激しく揺れる



毛布にくるまっていた俺はほんの一瞬だけ少しだけ反応が遅れてしまった。


コロコロと転がって後方に吹っ飛ばされる。

「うわぁぁぁーー!」



「ノクティ…!」


「おい捕まれ!」


ネイソンの出した手を握ろうとするも揺れる荷台の上

うまく掴めず



気がつけば俺の足元には床がなかった。


気がつけば遥か上空馬車から一人身を投げ出されていた。



みんな驚嘆の表情を浮かべているのが見えた。


「ノクティ…!ノクティ…!」



「だめよネム落ち着きなさい!



なす術なく重力に引かれ俺の意思とは裏腹に


体躯は地面を目指し落下を始めた

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