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最強騎士だったけど転移したらニートだった件 (仮)  作者: さいだー
???

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92/123

童貞力



「それでお願いってのはなんなんだ?」



自称女神を名乗る美少女の願い


実際女神なんなら俺達みたいな平凡な人間に頼み事をする必要なんてあるのだろうか?

本当なんなら自分で全て解決できそうなもんだがな



「いえいえノクティさん

それがそうもいかないんですよ


神は人間界に直接手出しをすることを禁じられているんです」



またナチュラルに人の心を読んでるよこの子

まあもういいんだけど



「それでですね唐突なんですがみなさん国中を見て回られて色々話をお聞きになりましたよね?




_______この国の内情とか」



セリフの後半部分だけやたら冷たい口調に感じられた

この国の内情ね……


たしか現王はその実クーデターを起こし、この国を長く納めていた王族から乗っ取っただったっけな?




「そうですその通りです



そこまでわかっているならば話は簡単です________





______私の願いは悪政を働く現政権を倒して平和な世を全ての国民に取り戻してあげてほしいのです!


いえ

これはあなた方もうんと頭をたてに振らざるを得ないのです!」



一言も返事はしていないのに話しは進んでいく



「はっ……?




はっ?」


この子なに言ってんの?

そんなことできるわけないじゃん


実際の所自由自在にKを呼び出せて都合のいいように戦わせる事ができたのならできるかもしれない


しかしそれができたとしても俺達にはデメリットしかないように思える

日本に帰る方法はあの王が鍵を握っているのだ。

それを倒してしまうなんてとんでもない!



「ノクティさん本当にデメリットしかないんですかね?


実はそうでもないんですよ?




第一に王はあなた方との約束を守る気はありません

日本に送り返す?

そんなの嘘っぱちです





使い捨ての駒にする気しかないんですよ?」




「なぜそんなことが言える?」




「私にはわかってしまうのです

人がどう考え行動するのかが……」



たしかに先程から俺の思考はセイラに駄々漏れだ。


その証拠にノエルはなんとなく理解している様子だが

ネムは話についてこられてないみたいに頭の上に?マークを浮かべている。



「しかしだなそれだと俺達帰れなくなってしまうんだが……」



ちっちっちっと指を横に降る仕草を見せてからセイラはこう続ける


「私の願いを聞いていただけるなら

皆さんの願いを何でも一人一つづつ叶えてあげましょう



もちろんどんな願い事でもです!


例えばハーレムを築きたいとか……!

大金持ちになりたい!とか





この国の医療では治せない病を治して欲しい……とかも」




「それ…本当…!?」



最後の一文を聞いたネムがすぐに食いついた

今までおとなしく座っていたのに机に身を乗り出して



「はい本当です

神は嘘をつきません」


屈託のない笑顔をこちらに向けてそんなことを言っているが

それは嘘だ

なんせ初めて会った時

既に色々と嘘をつかれている。



「たしかにそうでしたね……


でしたら……時々嘘をつきます」


ペロッと舌をだしておどけて見せている。


信用していいものかどうなのかわからなくなってきた。

王も胡散臭いし

この自称女神も……うーん





「おばちゃん…治せるんですよね…?」





「おばちゃんとは私と同じセイラという名を持つ元王妃の事でしょうか?



もちろん治せます」


笑顔を崩さないままセイラは答える



「だったら…今すぐ…治して…!


すぐに…王様やっつけに行くから…!」




表情は変えず今度は首を三度横に振る


「神は民に一方的な(ほどこ)しはできない決まりになっているのです

あなた方が私の願いを聞き入れてくれた時私もあなたの願いを聞き入れましょう」




「でも急がないと…!」




「大丈夫です安心してください

しばらく命は持ちます



それにノクティさんとノエルさんはあまり乗り気ではないようですよ?」




机に乗り出していた体を首だけ捻ってこちらを振り返る

俺達の様子を確認するように



「そう…なの……?

なんで…?

ノクティ…?

ノエルちゃん…?」




「なんでって……本当に信じていい話かどうかわからないだろ


なあノエル」


必死なネムを見ていると無下に否定することができなかった。


ごめんなノエル後はお前に任せる



なんでこっちに話を振るのよと必死に目で訴えて来るが無視



「そうなの…ノエルちゃん…?」



「えっ?あっえっ



はあ……」


意を決したのかノエルは1つフーッと大きく深呼吸したあと




「いいネム?

もしの話よ


私は納得していないけど不思議な力を与えてくれたのはそこにいるセイラが与えてくれたとしましょう」



「うん…」



「だからって彼女が神様だって信じるのは安直だと思わないかしら?


内情を知っている人物が私達を利用しようとしているだけだったとしたら?

ネイソンだって不思議な魔法みたいな物を操っていたわ

もしかしたら神じゃなくたって他人に力を与えられるものなのかもしれないのよ?


もしそうだった場合どうなると思う?



今の政権を倒せたとしましょう

でもその先には何があるのかしら?

果たして日本に帰れるのかしら?

命だってあるかわかったもんじゃないのよ?」



そこまで言われてもニコニコと笑顔を崩さずセイラは黙って話を聞いているだけでなんの反論もしない





「それでも…私は…私は…私は…」



膝から崩れ落ちるように地面に(ひざまず)くとそのまま両手を地面につき

地面に付いてしまうんじゃないかと言うくらい頭を低く低く下げる。




「おばちゃんを助けられる可能性があるならそれにかけてみたいの…!


お願いノクティ!ノエルちゃん!」





「おっおい!やめろって!」


あわててノエルと二人でその行為をやめさせようとするがこうなった時のネムは誰にも止められない。


「お願い…お願い…お願い…」




______________________________________________






押し問答がしばらく続き折れたのは俺とノエルだった。





「…………もうわかったよ…顔をあげてくれ

頼むから」



「…ほうとう…にいいの…?」


少しだけ頭をあげて上目使いの要領でこちらを覗きみている


はあ……

こういう姿を見せられるとまあ仕方がないかと思ってしまうのは

俺の童貞力のなせる技だろうか

この先自分達の命をかけることになるかもしれないのにな……



「仕方がない子ね……本当に

今回だけだからね?」


と優しく頭を撫でながらノエル

ノエルがネムを許したのは母性をネムに感じているから?



「うん…!ありがとう…!」



ただそのまえに1つだけ見ておかなければならない事がある


「でもなネムその前に確認しに行きたい場所があるんだ」



確認しに行きたい場所それは昨夜ひと悶着あった後ヨキ婆さんから聞かされた

『魔王城』があると当初聞かされていた場所の事なのだ



________一度は滅ぼされた街『フロストバーン』


そうそこはセイラさんヨキ婆さんの故郷の街の跡地




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