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最強騎士だったけど転移したらニートだった件 (仮)  作者: さいだー
???

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74/123

焦り

「ふう‥

やっと運び終えた」


額の汗を拭いながら馬車の前で倒れるように座り込む

膝がガクガクと笑っている

弱りきっていた足腰には少々キツかった。



「ご苦労様」


労う意思は全く感じられない声色だ。



「あのなノエル

もっと言い方ってもんがあるんじゃないか?」



「なに言ってるのよ私が労ってあげてるんだから感謝しなさい?」


この女傍若無人である。

こいつにな何を言っても無駄

はあ


ネムはと言えばこちらには気づいてる様子だがチラチラと見ているだけ

目が合うと目をそらされる

俺なんかしました?


ネイソンはなにかを必死にネムに語っている。



「でさっきあんた誰かに会ったって言ってなかった?」



「ああ

ヘイルの事か?」



「ヘイルってあのムキムキの髭モジャモジャの人‥‥‥

だったかしら?」




「そうそのヘイルだ


あいつが言っていたんだが外れの町で泊まった宿あっただろ?

あそこのおばちゃんが倒れたらしいぜ」



「ふーんたいへ

うぐっ」


ノエルがまだ話しているというのに

さっきまでの態度とは打ってかわって

ネムがノエルを押し退けてまで会話に割り込んできた。



「なに‥!?どういうこと‥?

詳しく教えて‥!」



ネムのこの反応

やはりと言うべきか


先程までネムと話していたネイソンもこちらに体ごと向けて俺の言葉を待っている‥のだろうか?



「どうしたもこうしたも俺が聞いたのは倒れたって事だけだ


そういえば人を探しているとも言っていたな」



「なんで‥詳しく聞かなかったの‥?

どんな具合なのか‥とか‥」



押し倒さんとばかりにネムがグイグイと迫ってくる。


ちょちょっと近いって


「おちつけおちつけ


そんなに気になるんならまだ城下にいるだろうからヘイルを探して聞いてこいよ


あいつの風貌ならちょっと聞き込みすりゃすぐ見つかるだろうぜ」


俺に何を期待しているのか少しシュンとなって


「なんで‥そんなに冷たいの‥?


お世話になった人‥だよ‥?」



「いやいやそんなこと言ったって

俺達にはなにもしてやれないだろ


よしじゃあ一緒にヘイル探してやるからさ

それでどうだ?」



「‥が‥さな‥く‥‥い‥‥」


うつむきなにかぶつぶつと言っているが良く聞き取れない



「うん?なんだ?」



「探さなくていい‥!」




「本当にいいのか?

気になるんじゃないのか?」



「気になるよ‥

だからおばちゃんの所に‥

会いに行く‥!」



そう言うやいなや荷物を積み込んだばかりの馬車の操縦席に座る。



手綱を握りしめ一言

「ユニ‥行くよ‥!」




ヒンと返事をしてすぐに馬車は動き出す。


「おい!ちょっと待てよ!」



それを見たノエルとネイソンはすぐに馬車に飛び乗った。




大人しそうに見えてああなってしまったネムは誰にも止められない


「あーもうしょうがねえなー」


俺もギリギリのところで馬車に飛びこむ‥‥




‥‥‥飛びこめない



荷台の後ろに

両手でなんとかしがみつき引きずられるような格好になってしまった。



「ネムー!

行くのは構わないから一旦止まってくれー!」



それでも馬車は止まらない

引きずられながら見え隠れするネムの後ろ姿からは焦りのような物が感じられた。

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