おもらし
「ノクティ‥!
あっ‥起きた‥!」
何事だろうか騒々しい。
「もう枷は外したから‥動けるよ‥!」
枷‥‥‥?
いたたたた
手、足を動かすとずきずきと痛む
それに気だるさも感じる
なんでこんなことになってるんだったか
暫し思考‥‥‥
‥‥‥そうだ思い出した
拐われた上に裏切られたんだ。
「ネム姐さん!早く」
ネム姐さん?
声のした方に目をやって驚愕した。
「えっ!?」
まさに面を食らうと言うのはこの事なのだろう。
「なんでお前がここにいるいんだよ!?
しかもネムと一緒に」
俺の言葉を遮るようにネムが声を発した
「それなら‥後で説明するから‥
今は‥急いで‥!」
「あっああ」
ネムがグイグイ来るときは何を言っても無駄だ。
従うしかない。
ここで2人しか居ないことに気づく
「あれノエルは?」
「‥‥‥
‥‥‥お留守番!」
ちょっと頬を膨らませて
普段はしりすぼみするような話口調なのに
語気を強めてそういった。
「そうなのか
なんかあったのか?」
「‥‥‥なんでもない!」
なんかムスッとしているなノエルと喧嘩したに違いない
こいつとネムが一緒に行動してることに関係していそうだな
なんて推理してみる。
「姐さん!早くしないと応援が来るぞ
さすがの俺でも手負いと姐さん連れて切り抜けられるかどうか」
「ノクティ‥急いで‥」
ネムに促されるままに立ち上がる
おっとと
うまく立てない。
その様子を見たやつが反応する
「丸二日身動きを取れずにいたんだ無理もないな
大体みんなそうなるんだ」
ポリポリと頭をかいてから仕方ないなみたいな表情で
「姐さん俺が先に行って様子を伺います
サインを出すんでそれを見たら
そいつと一緒に進んで来てください」
「うん‥わかった‥
よろしくね‥!」
一人で牢の外に出ていくとやつは警戒しながら出口に向けて進んでいく。
「姐さん
ゴーです」
「ノクティ‥いくよ‥」
「あっああ」
ネムが肩を貸してくれる
トイレも垂れ流しだったもんだから
ネムに申し訳ないな‥‥‥
羽織っているコートが黒いから目だたないが臭いはキツイはずだ‥‥‥
「ネム悪いな‥‥‥
こんな状況で」
「なんで‥ノクティが謝るの‥?
私たちの事を‥助けてくれたからこんなことに‥
むしろ私の方こそ‥ごめんなさい‥」
「いやそれはいいんだ
気にしないでくれ
それより‥」
気になることがもうひとつ
「なんであんなやつと
裏切られるかもしれないぞ?」
「大丈夫‥!約束したから‥!
私が約束したの‥!
私を信じられない‥?」
ネムの信念の宿るその眼で見つめられたら信じられないなんて言えない
ここまで助けに来てくれたんだよな‥‥‥
「わかった
ネムを信じる」
「ノクティ‥ありがとう‥」
ネムに体重の半分を預けてやつの方へ進む
姐さん早くしてくださいとやつが遠くで手をバタバタさせている





