舞
城内は日本の俺のベットよりもフカフカの絨毯が敷き詰められていて
思わず目を奪われてしまうほど豪華な装飾の施された壁面やシャンデリアなどなど
贅沢の限りを尽くした作りになっていた。
その豪華絢爛な城内の階段を4フロア分程上ったところでドルガンはピタリと足を止めた。
「正面の部屋で王はお待ちですが
どうか粗相のないようにお願い致します
‥‥‥では宜しいですかな?」
そう確認してきたが
俺達の返答を待つことなく
ドルガンは白を基調とした両開きの扉をノックした。
「お客人をお連れいたしました」
少し間があって中から
「あっそう
入って」
という返答があって扉が開かれた――――
今、目の前に王と呼ばれた人物が側近の兵士を両わきに従えて立派な椅子にふんぞり返っている。
「おいドルガンー
めんどいからー説明よろぴくー」
なんだこの軽い男は……
なんというかちゃらい
「はっ!
では私が王に変わりまして説明させて頂きます」
すっとドルガンが俺達の右手に回り込んできて
「まずはお三方ともご足労頂きありがとうございます
では王に自己紹介を―」
「いいよそんなことしなくて
資料としては持ってるんだがらさ」
そういって王と呼ばれるちゃらい男は
手に持つ紙をヒラヒラして見せてきた。
「えっとそこの男は‥猪野口翔哉ゲーム内では中々の実力者だったようだな
期待してるよー
でそこのロリ巨乳が‥藤崎乃英瑠お前は今回の協力者その1か」
藤崎乃英瑠‥‥‥?
どこかで
「でそこの黒髪は‥ぷっハッハッハッハッ
ひどい名前だなハッハッハッハッ
舞音夢クックックックッ」
ウオッホン!
ドルガンが咳払いをしてちゃらい男を制した。
ネムが俯いていて表情は見えないがなにやらぶつぶつと言っている。
「ちょっとあんた失礼じゃない!
今すぐに謝りなさいよ!」
何も言わないネムを横目にノエルが声を荒げた。
それを慌ててネムが止めに入る
「いいよ‥ノエルちゃん‥私なら大丈夫だから‥」
ノエルを制する用にドルガンが一歩前に踏み出して
「大変失礼致しました
変わって謝罪させて頂きます
ですが王の前で無礼な態度は―――」
「いーよいーよ
話進まなくなっちゃうからさ
進めてー」
ひょいと手を差し出してどうぞみたいなポーズをしている。
元はと言えばお前が失礼な事をしなければ良かっただけなんだけどな。
今にも飛びかかって行きそうな勢いのノエルをなだめてから
どうぞとポーズをして主導権をドルガンに返した。
「なんで止めるのよ!?
ネムがバカにされてるのよ」と抗議されたが首の根っ子を押さえ付けて
「話なら俺が変わりにいくらでも後で聞くから」となんとか黙らせた。
俺だって内心あのちゃらい男はいけすかないが
長いものには巻かれる主義なもんでな
「それではなぜあなた方をこの世界にお呼びしたのか、何をして頂きたいのか
どのようにして転移させたのかを話させていただきたいと思います」





