違和感
セイラが罰当たり‥‥‥?
あの娘なんかしでかしたのか?
名前を出しただけであの厭われ方だ
何をすればあそこまで‥‥‥
「ちょっとあんたさっきから黙りこんでどうしたのよ?
帰ってきてから様子おかしいわよ」
不審に思ったのか外国人が納豆を見る用な目でノエルが聞いてきた。
「んー
いやちょっとな
たいした事じゃないんだよ
あっそうだった
忘れてた
これ新入りのエサな」
ノエルから注文を受けていた生肉を手渡す。
「あっありがとう♪
さあ新しいご飯よ食べなさい!」
ア○パン○ンの顔を取り替える時のようなセリフを吐きながら新入りに生肉を与えるノエル。
真ん丸いコロコロとした
フカフカの新入りは
底無しかと思わせる食欲で1キロほどの大きさの肉を一瞬でたいらげた。
その体のどこに入るのか不思議だが気にしたら負けのような気がする‥‥‥
ちょっと待て‥‥‥まだ産まれて数時間なのに一回りでかくなっているような気がする
‥‥‥いや気のせいだろう
そんな生物いるはずがない。
しかしこれからこいつの食費だけでどんだけかかるのだろうか?
考えるだけで恐ろしい
新しい座布団も献上-ノエルに奪われた-して
先ほど渡した薄い座布団を取り戻し腰を落とすと
再びセイラの事を考る。
あんな信仰心の塊のような子だ
だからこそ何かやらかしてしまったのだろうか?
うーむ‥‥‥
‥‥‥それにしてもこの違和感はなんなのだろう?
先ほどからセイラの事が気になっているのはたしかなんだが
何かが引っ掛かる‥‥‥
んー‥‥‥
「ノクティ‥ノエルちゃん‥
そろそろ出発‥してもいい‥?
ユニが走りたがってる‥」
と荷台を覗きこむような形でネムが聞いてきた。
「あっああネムに任せるよ」
「いつでもいいわよ
この子寝てるからなるべく振動がないようにしてね」
満腹になったからなのか眠る新入りをノエルが指差しながら仰せられた。
「うん‥わかった‥できるだけゆっくり‥走るね‥」
ネムが手綱で合図をすると
再度王城に向けてゆっくりと馬車は進み始めた。





