ティータイム
おばさんが淹れてくれたお茶で喉を潤す。
お茶と言ったが日本にあるものに例えるなら紅茶に近い。
おばさんが持ってきてくれたクッキーも甘さ控えめで中々の美味
淹れてくれたお茶との食べ合わせも最高。
今どういう状況かと言うとそれぞれ席について振る舞われたお茶とクッキーを思い思いにいただいている。
ただ一人を除いて
その一人とはノエル、言いたい事があるのだろう。
こちらに鋭い眼光を飛ばしている。
正直怖いが気づかないふり気づかないふり。
「さっきネムちゃんに聞いたんだけど
マーダーコングの群れを討伐してくれたんだってね
この町を代表してお礼を言うよ
ありがとう」
それを聞いてネムが気まずそうに俯いていた。
俺が発狂していたのを気にしているのだろう。
「マーダーコング?なにそれ?」
何も知らないノエルが不機嫌そうに素頓狂な声をあげる。
おばさんがそれに答える。
「この辺りで悪さしていたモンスターでね
家畜を拐ったり人も拐われたんじゃないかって言われていたんだよ
ヘイルもこれで報われるね‥」
「ヘイル?
ヘイルって素材買い取り屋のおじさんの事?
報われるって?」
「そう買い取り屋の!
でもヘイルはまだおじさんって歳じゃないよ
それはね、あの子の両親がマーダーコングに拐われたたんじゃないかって言われているんだよ」
拐われた‥‥‥?もしかして‥‥‥
「またまた!どう見てもおっさんじゃない!
騙されないわよ!」
ここでノエルとおばさんの話に割って入る
「なあおばさん拐われた両親ってもしかして‥農場を経営してたっていう‥?」
おばさんは深く頷き
「そうだよ
あなたとネムちゃんには少し話していたね
今回の事ヘイルにも話してあげるといいよ
きっと喜ぶ」
「考えておくよ」
おばさんはにっと笑うと
「さてとそろそろ私は掃除に戻るよ
ネムちゃんは、もうお手伝いは大丈夫だからね」
「えっ‥まだお洋服の‥お礼が‥」
「もう十分だよ!ありがとう」
立ち上がりカウンターの方に歩いて行くおばさんを目で見送りながら今後の予定を少し考えてみた。
「そういや洋服と言えば
金も入った事だし装備整えるか」
「えっ‥!かわいい‥お洋服‥欲しい‥!」
ネムが目をキラキラさせながらテーブルに乗り出してきた。
「いや俺の言い方が悪かったな
洋服と言うよりだな装備を‥」
「ノクティ‥!早く行こう‥!
ノエルちゃんも‥!」
「お‥おう」
ノエルの方に目を向けると目をつむり首を横に振っていた。
こうなったネムはノエルでも止められないみたいだ。





