医者とドラゴン2
鏡の中にはイケメンじゃない
どちらかと言えばブサメンな現実の俺の姿が写し出されていた。
「これで理解したかぁ?」
全く理解が追い付かない
現在ある情報で状況を整理するならコマンドが開けない、顔がリアルな自分
服装も部屋着のスウェットってとこか
しばし考える
「‥いや‥さっぱり飲み込めないんだが‥」
「とりあえず神殿に行けばいいぞぉ」
神殿?なんだそれ?ゲームの世界にあっただろうか?
俺の記憶の限りなら‥‥無かった
「神殿?そこに行けば元に戻れるのか?」
「戻れるかはわからないけどアドバイスしてくれるぞぉ!
啓示ってやつをやってくれるんだぁ!」
「啓示?なんだそれは?」
「神様の言葉を代弁してくれるやつがいるんだよぉ!」
なんかきな臭い話になってきた
うーん
どうしたものか悩んでいると
「行けばわかるからよぉとりあえず聞いてこいよぉ!
俺は難しい話は苦手だからよぉ!」
そう言うと男は踵を返し歩き始めた
あわてて男を追いかけすがる
「ちょっと待ってくれ!もうちょっと詳しく聞かせてくれないか?」
すると男は振りかえって
「あぁ?なにしてんだ早く行くぞぉ‼️」
どうやら同行してくれるつもりらしい。
素性も知らない怪しい男だが
よくわからない状況+男の話を信じるなら頼るほかないだろう
「わかった‥
行こう!
名前を聞いてもいいか?
俺は‥ノクティだ」
本名は明かさなくても良いだろう
「ノクティな覚えたぞぉ!
俺はKだ!
知り合いはドクターKって呼ぶぞぉ!」
「ドクターK‥?
野球でもやってたのか?」
少しだらしないその体型的にそんな風には見えないが‥
「俺は医者だぁ!
お前の職業はなんだぁ?」
医者?
凄い中2みたいな痛々しい服装、話し方
どこから突っ込んだらいいのかわからないが話が進まなくなるのでやめておこう
「職業?俺は上級騎士だったが」
「あぁ?ゲームの話じゃねぇよぉ!
現実の話をしてんだぁ!」
いちいち腹立つ言い回しをする奴だ
ちょっとムッとした
「それもわかんないならよぉ神殿で聞けば教えてくれるからよぉ!」
「この世界は神様に職業を決めて貰うのか?
選択の自由はないのか?」
「ないぞぉ!」
「あっそうすか」
神殿に向かって俺達は歩き始める
しぶしぶ後を着いていく形にはなっているが
これが始まりだった