けいこく
ネムと顔を見合わせて、お互い頷く
すぐに声のしたほうに向き直り声をかける
「今行く!
ちょっと待ってくれ!」
「ネム行くぞ!」
「うん‥!
もしかしてお孫さん‥かな‥?」
もしかしなくてもこんな森の奥深くに入り込むやつなんて何かを採取あるいは討伐しにきた‥
または俺らみたいなモノズキなやつらしかいないと思う。
だから十中八九間違いないだろう
「御託はいいからさっさと行くぞ!
行けばわかるんだ!」
そういって俺とネムそして一匹はさらに森の奥深くへと歩みだした。
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俺たちは崖の手前に立っていた。
―崖とは言っても高さ5メートル程度の高さだが―
覗きこむと一人の男がうずくまっている
「おい!大丈夫か!」
辛そうだが男はすぐに顔をあげてこちらに
「あぁ‥辛うじて大丈夫だ
足をやってしまってな
動けないんだ」
「そうか
すぐに行く!」
男が右を指差す
そちらに目をやると誰がかけたのか蔓を幾重にも織り込んだ梯子のような物が設置してある。
「ネムあれで降りるぞ!
先に俺が降りる
強度にも不安があるからな」
梯子の前まで移動するとネムがスカートの裾を押さえてモジモジしだした。
「あの‥‥ノクティ‥‥私が‥先に降りる‥」
「なんで?」
「だってノクティ‥先に行ったら‥パンツ‥覗くから‥」
「覗かねーよこんなときに!
俺だって時と場合くらいはわきまえてるわ!」
「でも‥そんなこと言って‥‥
さっきだって‥」
ぴぃぴぃと【白いの】も鳴いている
「わかったよ‥先に行け!
ぴぃぴぃなくな!お前は俺がおぶって降りてやるから」
なんだこいつ!?凄い不満そうな表情しやがった!
「じゃあユニ‥先に私は降りるから‥
ちょっとエッチなお兄さんと‥‥
一緒に降りてくるんだよ‥」
ヨシヨシと【白いの】を撫でる
どうやらこいつの名前はユニに決定したらしい。
なんか聞き捨てならない事も言っていたような気もするが、俺は大人だ‥聞き流してやるとしよう。
そう俺は大人だから!
ネムが降り始める
【白いの】に落ち着きがない‥ずっとぴぃぴぃ鳴いている
「おい白いの!下に行けばすぐに会える!
だからそんなにぴぃぴぃ鳴くな!
静かにしないとおいてくぞ!」
それでも【白いの】はぴいぴい鳴くのをやめない
むしろ動きも落ち着きがなくなり激しくなるばかりだ





