表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/123

異世界の洗礼


「素材の買い取りをお願いしたいんだ」


ちょっとびびって声が上ずってしまった



「いいだろう

それでブツは?」


手を大袈裟に広げて早くここに出せと催促しているようだ。


「今ここにはないんだ

ここから半日ほど歩いたとこに小屋があるんだがそこの近くの岩場の横に転がってるんだ」



髭を左手で撫でながら男は言った

「ほほうここに持ってこれないほど巨大なブツなのか?


で‥なにを仕留めた?」

ちょっと小馬鹿にした感じの含みを持たせた言い方だ


なんかムカつく

俺が仕留めた訳でもないんだけど


「ドラゴン‥‥だ」



「んっ?何て言った」


凄いニヤニヤしている

あまりに腹立たしくて怒鳴り付けるように言ってやった。

「だからドラゴンだよ!ド・ラ・ゴ・ン!」


「ぷっ」

男は顔を紅潮させながら腹を抱え笑い始めた。


「あーっはっはっ

お前みたいなヒョロヒョロしてるもやしみたいなやつがドラゴンを仕留めただって?

笑わせないでくれよ

ギロトカゲかなんかの見間違いなんじゃないかぁ?

あっはっはっはっ」





こいつマジで腹立つな‥他の買い取り屋に行くか‥?


お金に余裕はないが

こんな所で頭を下げてまで買い取って貰いたくなんかない



「そんな態度取られるんならお前の店には売らねぇ

せいぜいあとから後悔するがいいよ!」


そう捨て台詞を吐いて店を飛び出した


「あぁ!二度と顔見せるな嘘つき野郎!」


店の入り口-ドラゴンの口-から顔を出してこちらに向かって叫んでいる


あっかんべーをしてやった

こちらこそ2度と行くもんか!


――――――――――――――――――――――――――――――――――





「ちくしょー本当にムカつくな!」

あれから30分ほどたって少し落ち着こうと

町の外れを散歩していたがイライラが収まらずひとり言を気づかずに発していた。


ちょうど通りかかったおばあちゃんが

ビクッとして触れては行けないものを見るような目をして脇道にそれていった

「ふん」

なんかこの町あまり好きじゃないかも

ああ早く日本に帰りてぇな‥




「ノクティ‥」

天を仰ぎ立ち尽くしていたところ

後ろから声をかけられた

振り替えるとネムが立っていた



なにか先程までとは違う雰囲気でネムはこう言った

「ちょっと‥お願いがあるの‥

私と一緒に来て‥?」


「お願い?別にいいけどなんだ?

金ならないぞ!」



「お金じゃないよ‥!

ノクティって‥ドラゴン倒せるほど強いんだよね‥?」


なんか嫌な予感がするが‥今さら否定することなんてできない!

だから俺は背筋に薄ら寒いものを感じながら


「あぁ俺はドラゴンより強いよ」

と答える他なかった



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ