気がかり
どれくらい眠っていたのだろうか?
部屋の窓から空の様子を伺ってみる
まだ日は高いようだ
おそらく昼を少し回ったくらいだろう
コンコン
部屋をノックする音
「はい」
「あの‥ネムです‥
おばちゃんが昼御飯できたから‥下に降りてくるようにって‥」
この宿食事もついているのか!
それはありがたい
「わかった
準備ができたらすぐ行く!」
「‥わかりました‥
そう伝えておきます‥」
トタトタと階段を降りていく小気味いい音が伝わってくる
準備するとは言ったものの準備するような事が無いことに気づいてすぐにネムのあとを追って階段をかけ下りた。
朝案内して貰ったカウンターの裏の部屋に食事は用意されていた。
セイラの所で用意されていた食事と同じで質素だがとても良い匂いがした。
ネムはおばさんの手伝いで配膳をしていたようだ。
「ネムちゃんありがとう!凄い助かったよ!
ネムちゃんみたいな娘が欲しいわよ
はっはっはっはっはっ」
豪快に笑っている
ネムはタジタジな様子で愛想笑いをしている。
おばさんにネムそして俺、1人足りないな
「ノエルは?」
「なんかよっぽど疲れたみたいで‥昼御飯もいらないから寝かせて‥と言ってた‥」
「そうなんだ
じゃあ俺たちだけで頂いちゃおうか」
「はい‥」
「さあたーんと御上がり!」
それぞれ着席
おばさんは店番に戻っていった
「いただきます!」
「‥‥ます」
無言の食事
スプーンとフォークが食器に当たる音だけが室内に響いている。
昨日とはうって変わって行儀よく食べている
ネムは良いこだけど、自分が無いよなぁ
自分で考えて決める事はあるのだろうか
全く関係ないけどちょっと心配になるなぁ
なんて考えながら最後の一口を掻き込む
「ごちそうさま」
「‥‥でした」
「俺は素材買い取り屋に行ってくる
今後の事も考えて武器屋にもちょっと寄ってくるから遅くなるかもしれない」
「わかった‥
私は‥ちょっと休んだら散歩‥してくる」
「じゃあまた後でな」
「うん‥」
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おばさんの言ってた変わった建物ってこれだよな‥?
これは建物って言えるのか?
巨大なドラゴン?の骨-だろうか?-がこちらに向けて大きく口を開いている
後ろの胴体部分の様子はうかがいしれない
それほど巨大なのだ
どうやら口が入り口になってるみたいだ
おそるおそるドラゴンの体内へ侵入をはかる
「いらっしゃい
買い取りか?それとも素材が欲しいのか?」
頭は坊主で髭ずらちょっと取っつきにくそうな筋肉隆々の男がカウンター内から話しかけてきた。





