かくなる上は
「まったくよぉ今日は人使いがあらいんじゃねいのかぁ!」
そう言いKは俺の肩を背後から掴んだ。
「頼む!
ヘイルを助けてやってくれ」
ジリジリと押し込まれて「くぅっう」とうめき声をあげながら組み伏せられる寸前のヘイルを指差すと
それを視認したKはポリポリと頭を掻きながら俺との配列を変え前に出た。
「よぉこの前ぶりじゃねえか」
kが声をかけるとマーシャは視線だけをkに向けると驚きの表情を浮かべた。
「ア、アイテル様!?
……いや違う
とても似ているが別物
お前は誰だ?」
「俺かぁ?俺はKだぞぉ!」
「そう言うことを聞いているんじゃない
お前はアイテル様と親戚かなにかなのか?
いや違うのかな……あまりにも似すぎている」
そう言いながらkに興味が向いているマーシャはヘイルは邪魔なだけなようで必死に食らいつくヘイルに一発膝蹴りをいれる。
すると気を失ってしまったのか、ヘイルは紐の切れた操り人形のように地面にペタリと倒れこんでしまった。
「ヘイル!」
「大丈夫だよ
そんなに慌てなくても、ちょっと気絶してもらっただけだ
君達だってうちの信者達をこんなにしてくれたじゃないか」
階段にはヘイルと同じように気を失って倒れた白装束が無数に倒れている。
「……」
「やったのは俺だけどなぁ」
「……なるほど
こっちの倒れてる方の男がやったんだと思っていたけど
それなら納得だ」
「ちょっと聞いていいか?
アイテルってのは何者なんだ?」
その質問には答える気はないとふんと鼻を鳴らしてからマーシャ
「逆に聞くけどこのkって男は何者なんだい?」
その質問には俺は適切な答えは持たないし
わかっていたとしてもそんな事を敵に答える必要はない。
かくなる上は……無理やり聞き出す!
俺とマーシャお互いの考えが一致したようでマーシャは右腕、右足を引くといつでも飛び出せるような構えを取った。
同時に俺もkに指示を出す。
「頼むk
マーシャ……その白装束の男を殺さない程度に喋れる程度で構わない
やっつけてくれ!」
「注文が多いなぁ!
でもいいぞぉ
俺もこいつには雪山での貸しがあるからなぁ
30秒で仕止めてやるよぉ」
そう言ってKはどこから出したのか両手にメスを握ると
いつもの独特のダサいステップで構えを取るとすぐに飛び出した。
「こっちから行かせてもらうぞぉ!
執刀-ブラッティクロス-!」





