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旭日の右腕  作者: 文覇
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高雄港にて

高雄港に降り立ち ちまきを頬張る沢村!満足して退店した沢村の前に現れる誠実な野球軍人とは…

俺は口いっぱいに ちまき を頬張った

モチモチの食感が口いっぱいに広がり、うん!OC!

コロコロと入った具材はまるで日本神話に登場するイザナミ イザナギ夫婦の淤能碁呂島を生み出すシーンを彷彿とさせた 俺はちまき二つで満足し、代金を支払って店主に軽く会釈してから外に出た

台湾の1月はかなり寒い 俺は外套を上に羽織って近くの露店を見て回っていると、店の奥の空き地の壁に向かって白球を投げている男がいた

目測では130キロ近くの速さだ 俺の最高時速は150キロなので彼は変化球を投げていると見た

早速 男の所に行き手を上げ

「やぁ、台湾は冷えますな」

と言った

なにせ今日は1月23日 日本では冬至の一ヶ月後 である 思えば2年前 我々日本軍はラバウルを占領し大戦果を大本営に報告していたのを思いだす しかし今はそんな悠長な事を言っている場合ではない

男は目深に被っていた帽子を上げこちらを視認し

「あっ!沢村少尉でありましたか!お疲れ様です!」

と言い帽子を急いで取り会釈した

男の襟元を見ると星が3つ…

上等兵であった 俺は上下関係をあまり気にしない立場なので

「やぁやぁ、そんな礼儀を払わんでもいいぞ 君、名前は?」

男は

「では失礼します!自分は聖沢と言います 台湾航空隊第51飛行中隊に所属する上等兵であります 今回は大日本帝国野球倶楽部発足とあり召集されております 沢村少尉と一緒に試合をさせて頂けることになり誠に光栄です」

「そう言われると嬉しいが、俺はフィリピンから来たんだ 君はどうして俺のことを知っているんだ?」

「中隊の野球仲間から沢村殿の東京巨人軍での活躍は存じております そして自分自身 新聞やラジオで沢村殿のご活躍を存じておりました!

「おお、それは嬉しい」

彼は日本で私のことをメディアを通じて知っていたのだ 俺はそんなに有名なのかと改めて気がついた

「沢村少尉!これからは何と呼べば良いでしょうか?」

「沢村さん でいいぞ」

「かしこまりました!」

時刻は午後11時 あと1時間で次の目的地 佐世保に出発する時間だ

「聖沢君、そろそろ船に戻ろうではないか 時間がないぞ」

「はい!」



港に歩き出し船に向かったが そこにあったはずの島風は停泊していない


「あれ?ここに駆逐島風が停泊していたはずだが…」

「沢村殿〜!島風はフィリピンへの米軍の強襲を退けるため全速力で行ってしまいました!ですが沢村殿の荷物はすでに新しい船に積んでおります!こちらへどうぞ!」

整備員の彼について行くと大きな船が停泊していた

「…これは?」

「こちらは大日本帝国が運用しています 軽空母隼鷹です!」

話でしか聞いたことがなかった隼鷹は軽空母という艦種ではあるが、普通の空母と大して変わらない大きさに見えた

「船室はこちらです、沢村様の部屋は士官用船室の502です 聖沢様は上等兵用の…」

俺はすかさず静止する

「あーちょっと待て」

「はい?」

「聖沢君を俺の部屋の隣へ入れてやってくれ」

「一応空いておりますがこちらは士官用船室ですので佐世保から士官が乗ってこられた場合は交代していただいてもよろしいでしょうか?」

「かまわん」

「かしこまりました、ご用意いたします」


投稿はこのペースとなります!気分により多少前後します!

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