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掌編小説集9 (401話~450話)

バス

作者: 蹴沢缶九郎

田舎の山間の道にひっそりとあるバスの停留所。その停留所には一日数本しかバスがやってこず、乗り逃すと数時間待つ必要があった。


停留所を目前にした二人の男が、バスに乗り遅れまいと走っている。


「おい、早くしろ。そら、バスがやってきたぞ」


二人の男、中年男性の方が今にも停留所に着こうとしているバスを見ると、急かす口調で一緒に走っている青年に言った。だが、青年は何かを確認して、落ち着き払い答えた。


「何だ、急ぐ必要などなかった。ほら、あそこを見てみなよ」


青年が指を差したバスの前面上部、行き先案内には『回送』との文字が表示されていた。中年男性はほっと一息つき、声を漏らす。


「そういう事か。それなら良かった。お、丁度良い所に喫茶店があるぞ。次のバスまで、あそこで時間を潰すとしよう」


二人は停留所の手前にあった喫茶店に入っていった。


回送バスではなく、回送という名の終着所行きバスは、停留所に利用者のいない事を認めると、そのまま走り去っていった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 地名っていろいろあるから、まさかの名前もアリですね。 喫茶店は、勘違いして乗り損ねたお客さんを、お得意様にしてるかも。 ちなみに、ちょっと前に知った地名、花畔 バンナグロ です。どこまでが…
[一言] 暇を潰せる喫茶店があるところがいいですね。真夏やら真冬やらだと数時間も何もない場所で時間を潰さなきゃいけない時は地獄に感じますから。 地名紛らわし過ぎぃ!
2018/02/17 20:21 退会済み
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