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現代の火付盗賊改方  作者: 混沌不心流
3/5

現在に蠢くもの

ドォーン!! ギュアアーーン!!

タタタタタタタ…… タスケテクレー…… ズバンッ!! ウワァァァァァァ!!……

シニタクナインダー… ドンッドンッドンッ!!!!……………………


とある地区での出来事。そこは逃げ惑う人が数多くいた。それを無慈悲にも切り捨てていく者達。彼等の目的ははっきりしないが、なにかをしているのは確かである。そしてこの惨劇が始まって数十分経過したとき、彼らは目的を達成し、逃走する際リーダーらしき人がこう言った。

「我々は、(ましら)の宗則だ。また、近いうちに来よう。」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

東京都武蔵野市火盗改メ邸宅


「珍しいですね、長官が突然呼び足すなんて。知ってますか、総与力様」

「その名詞で呼ぶなといつも言っている筈だがな……。だが、私にもよく分からん。と言ってもいつも通りだろう。」

「しかしですね、今までありましたか?こんなこと。」

「さあな、後に言うだろうな。」

「そうですか…………。」

と、話しているうちにとある部屋へ到着した。そこには既に数人は座っていた。

「おや、あなたも呼ばれましたか。久保田さん。」

「これは、水口さんもでしたか。」

最初に呼ばれた久保田は、総与力と話していた人物。笙の名手で火盗改メ設立当初からの人物。田宮抜刀術の使い手である。水口は久保田と同門で免許皆伝を持つ凄腕である。

「他の方は……と。此北(このきた)さん、お久しぶりです。」

「誰だと思えば、お前か。」

「なんだ、久保田さんも呼ばれたんですか。」

「うるさいぞ、尾道(おのみち)。」

此北は小野一刀流の使い手で、師範代をしている。尾道はその直弟子で、警視庁などで動き方などを教えている。

「これで全員です?」

「いや、鷹司(たかつかさ)(みやこ)小鳥遊(たかなし)愛口(あいぐち)らも来るらしい。」

「随分と凄腕が集まりますね。結局何人ですか?」

「12人」

「多いですね。」

「あとは?」

阿久樹能勢(あくきのせ)が来る。」

「本当ですか?」

「長官がそう言った。」

「…………」

阿久樹能勢は両口流(ふたぐちりゅう)二天一流(にてんいちりゅう)の二流使いで、免許皆伝を持っているが気性が荒いため、何度か暴力沙汰を起こし与力の座から三度ほどうばわれている。

「そうなると、手に終えない盗賊類でも出たんでしょうか。」

「まだ分からんがな、三枚舌と蝦蟇蛙(がまがえる)は既に東京から消えてるしな…。」

「確かに、となると神鬼(じんぎ)ですか?」

「その可能性は高いな。」

「それ以外だと……」

甲壬(きのえじん)だろうな。」

「やはり、そうですか。」

「まだ、決めるのは早計だろ。」

「しかし、舞藤さん。」

「確かに、長官が来るまで待ちましょう。」

数十分後迄に続々と、部屋に入室してくる。鷹司、都、小鳥遊、愛口 等である。

「かなりの人数ですね。」

「ああ。」

(つなし)までいますね。」

「そう見ると、圧巻ではあるな。」

「確かに、そうですね。」

歴戦の強者や、元自衛隊出身に加えて教科書に載るような戦争に参加した人などで構成された火付盗賊改方であるため、相当なものであるとわかる。また、数々の死合を潜り抜けたものや何度も殺人を犯したものなど、人殺しに慣れたものが多いためある意味異常者の集団である。近いのは江戸時代の遊郭にいた忘(亡)八である。

ガラッ 急に引き戸が開く。

「……結構いるんだな…………。」 阿久樹能勢である。

「漸くお出ましかよ。遅いぞ。」

「なんだ、悪いか久保田。」

阿久樹能勢と久保田は中高と同じ学校の部活で全国大会で優勝争いをした仲である。

「何で、今回お前は呼ばれたんだ?」

「知るか。長官に呼ばれたんだよ。お前は知っているのか?」

「知らん。多分全員内容を知らずに召集されただろうな。」

「そうかよ……。」

その後部屋にはそれきり沈黙が訪れた。数分後引き戸が開く。

「待たせた。すまないな皆。」

「いえ、それほどではないかと。」

「まあいい。本題に入る。…………猿が出た。」

一同に沈黙が訪れる。最初に口を開いたのは、最年長の此北である。

「なぜそれだけの事で我々は呼び出されたのです?」

「確かに、猿はそもそも東海から近畿にかけてのグループでは?」

「そうだ。だが今の猿は殺戮に変わっている。」

「世代交代という意味ですか?」

「ああ。そうだ。だがその後ろに、霧島の雄祐がいる可能性がある。」

「なんだと。」

部屋中にどよめきの声が上がる。霧島の雄祐は北陸から北九州、はては東アジア東南アジアにかけて活躍する集団殺戮を行うグループである。

「それは確かなのですか。」

「そうだ。数峰(かずみね)からの情報だ。」

「信用性は高いですね。」

「となると、此処にいる人たちの力量は間違っていないと。」

「そういうことなら納得するメンバーですね。」

「皆、納得できたところで本題に入ろう。」

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