表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/22

パンドラの箱と武器

ブックマークありがとうございます。


作者嬉し泣きしています。

 蜜柑みかんの悲痛の顔に悲しみに染まる理夢りむの顔。


 「み、蜜柑みかんそんな顔しないで下さい・・・もう分かりましたから・・・」


 理夢りむの言葉でも蜜柑みかんの目から流れる涙を止める事は出来なかった。




 煮え切らないリリスは「カツカツ」足を進め、お面の陳列棚へと足を進める。


 「へパイス!これ、どう言うことよ?!」


 リリスは怒り、数あるお面の一つを引き抜くと声を張り上げた。

 ヘパイスと呼ばれたお面はリリスに引き抜かれ姿形を露わにする。

 お面は狐面で着る服は上下白のはかま姿であった。


 「ふむ、これはあり得ない事態が起こった!」


 「何があり得ないよ!現に昔の私が出てきたじゃない!」


 怒りの顔で理夢りむに指差すリリス。


 「ふむ、ちょっといいかい?」


 ヘパイスは新しい赤い弁当箱の様な箱をリリスに手渡すと。


 「開けてごらん」


 と言葉を掛ける。

 指示に従いリリスが箱の蓋を少し開け中身を確認すると。


 「ガサガサガサ」


 黒い油を塗った楕円が音を立てて箱の中を走り回る。

 それを見たリリスは顔面血の気が引いて。


 「キャァァァーーー!!!ゴ〇ブリィィーーー!!!」


 両手を挙げて、気持ちいいぐらい跳ね上がるリリス。


 箱はゆっくり回転を数回し、理夢りむの頭で一度バウンドして地面に落下。

 もちろん蓋は空いている。

 暫く経つが中身が一向に箱の中から出て来ようとはしない。


 それもその筈、箱の中身は理夢りむの顔を中心に勢いよく動き回っている。


 理夢りむの顔面は蒼白、吹き出す大量の汗。

 瞳は小刻みに揺れ、目に涙を溜め、口が引き攣る。

 Tウィルス感染者の様に両手を前に差出し、「ギギギ」と関節が錆付いた「からくり人形」の様な歪な動きで、蜜柑みかんに向かい歩み寄る。


 「ひぃぃ、た、助けて・・・み、蜜柑みかん・・・ゴ、ゴ〇ブリがぁー・・・」


 その言葉を聞いた蜜柑みかんは涙を拭い。


 「僕ね・・・理夢りむちゃん・・・命の恩人の理夢りむちゃんに・・・何か出来ないかな?って・・・ずっと考えてて・・・」


 「み、蜜柑みかん・・・」


 ニッコリ微笑む蜜柑みかん

 蜜柑みかんの言葉を聞いた理夢りむは目を輝かせ顔が安堵へと変わる。


 「でもね・・・」


 「ん?ど、どうしましたの?は、早く・・・」



 「それは絶対無理ぃぃーーー!!!」


 身体を180度回転させて両手を上げて逃げる蜜柑みかん


 「死んでも無理ぃぃーーー!!!」


 Bダッシュで逃げる蜜柑みかん。命の恩人を見捨てる蜜柑みかん

 理夢りむは呆気に取られ、下を向き、額に血管を浮かばせると。


 「オンドリャャャーーー!!!腐れ蜜柑みかん待たんかい!!!」


 蜜柑みかんを追いかけ走り出す。


 「ギャァァーーー!!!来ないでぇぇーーー!!!理夢りむちゃーーーん!!!」


 「えっ?!ちょっと!何でこっち来るのよ蜜柑みかん!!!あっち行きなさいよ!!!」


 半ベソをかきながらリリスの元に逃げて来る蜜柑みかん


 「助けてぇーーー!!!リリスちゃーーん!!!」


 リリスを追いかける蜜柑みかん


 「このお馬鹿!!!こっち来ないでよ!!!」


 もちろん逃げるリリス。


 「待たんかい!!!」


 2人を追いかける理夢りむ



 「助けてよーーー!!!」


 「もうーーー!!!こっち来ないでよ!!!」


 「ゴルァーーー!!!待たんかーーーい!!!」



 暫くこの状態が続き、それを見るヘパイスは何故か・・・少し寂しそうであった・・・




 幾つもの「地獄豪炎ヘルファイア」を繰り出し、楕円の物体を昇天させたリリスと理夢りむ


 もちろん元凶を創り出した、ヘパイスのはかまは真紅に染まり、生命活動ギリギリの状態で話しを進める。


 「こ、この箱はパンドラの箱の模造品、本来ならビックリ箱程度の能力しかない箱なのさ・・・し、しかし興味深いねぇーまさか心臓たましいだけ創造し、他を外部で錬成させるとは・・・」


 「パンドラの箱?!」


 「そ、そう「パンドラ」、私がまだ「アスガルド」に居た頃に作った人体創造用の箱なのだよ!!!絶世の美女パンドラを創造したいと依頼があってね!その依頼の元、作成し、依頼の通りに箱の中身に「希望」を詰め込んだのだよ!しかし、それだけでは楽しくないからね、ついでに「厄災」も一緒に詰めこんでやった!あははは、バフッ、面白い様に神界は荒れたよ!あははははははは、バフッ」


 吐血しながら話すヘパイス。


 「あ、あそう・・・でも!何であの子、私と同じ能力持ってるのよ!」


 「んーーー可能性としては・・・えっと君は確か・・・蜜柑みかん君だったかな?」


 「あっはい、早乙女蜜柑さおとめみかんです。宜しくお願いします」


 頭を下げる蜜柑みかん

 蜜柑みかんに近づき蜜柑みかんの顎に手を添え、顔を食い入る様に見るヘパイス。


 「中々喰い応えありそうな顔してるね!ハァハァハァ」


 「ヘパイス!!!」


 リリスの殺気がヘパイスの暴走を未然に防ぐ。

 ヘパイスの身体は「ミルミル」傷を癒し脅威的な回復力を見せる。


 「み、蜜柑みかん君、君はリリスのステータス値見なかったかい?」


 「え?・・・はい見ましたけど・・・でも、もう覚えて無いですよ」


 「チッチッチ!記憶と言うものは物質なんだよ、物質は失わない限り無くなったりはしない、つまり脳の破壊だね。覚えていないのは単純に神経回路が繋がっていないだけであって「記憶を忘却する」とは神経回路が切れるって事なんだ。君の記憶の中でリリスと幼女が同じカテゴリーとして認識され同じ能力を持つ人間が誕生したって訳さ」


 「私こんな性格してないわよ!!!」


 「貴女ひねくれていますものね!!!」


 火花を散らし睨み合う2人


 「もしかしてリリスは2面性を持つ人物では、無かったのかな?」


 「あっはい!僕だけの時と他の人が居る時の言葉使い態度は全然違いました」


 今度は蜜柑みかんを睨みつけるリリス。

 リリスとは逆の方向に顔を向ける蜜柑みかん


 「蜜柑みかん君が開けたパンドラの箱は青い箱、「冷静」さを詰め込んだ箱になるんだよ、因みに赤は「怒り」なんだけどね、あははは」


 「何よーそれ!まるで私が「怒り」みたいじゃない!!!」


 「あら、今気付きましたの?」


 理夢りむは口に手を添え笑いを堪える。

 リリスはヤンキー張りに「アー!アー!」言いながら理夢りむを睨みつける。


 --どっちが子供か分からないよ・・・


 蜜柑みかんは決して口にしてはいけない言葉を脳内で呟く。



 「それはそうと今日は何の用で此処にきたのかな?」


 「ハッ」と我に返るリリス。


 「蜜柑みかんの武器よ!スッカリ・ウッカリ・マッコリ忘れてたわ!・・・ねぇーヘパイス!蜜柑みかんに合う武器見繕ってよ」


 「ふむ、蜜柑みかん君は、あのお方に転移されたのかな?」


 ヘパイスはEXI〇Eの様に身体で円を描き蜜柑みかんをガン見する。


 「ええ、そうよ」


 リリスが笑顔でヘパイスの問いに答える。


 「あははは、やっぱりそうか!いや~実に楽しい!そうだな、これなんかどうだろうか?」


 ヘパイスは崩壊寸前の店を漁り、一つのアイテムを蜜柑みかんに差し出す。


 「えっ?こ、これトランプですか?」


 「あははは、確かにその様に見えるかも知れないね!しかし、これはそんな安い物では無いよ!・・・これはね、具現化するアイテム!想像創作イメージクリエーター、君の脳内にあるイメージを最大限活用する事が出来るアイテムさ」


 「僕お金持っていないんですけど・・・」


 「ああ、この世界はねお金という概念が存在しないのだよ」


 「え?でも・・・」


 「勘違いしないで欲しい・・・無料だって訳じゃない!この世界は契約で成り立っているんだよ」


 「え?!契約」


 「ああ、そう契約!今回はそうだな・・・リリスと一緒にお風呂に入るなんてどうかな?」


 「なっ!!!何いってるんですか!!!」


 --意味が分らない何を言っているんだ!!!この人


 しかしリリスは顎に手を添え少し考えた後に。


 「いいわよ!それで!」


 理解が出来ない蜜柑みかん


 「リ、リリスちゃん・・・なんで・・・」


 そんな蜜柑みかんを他所にリリスは。


 「別に構わないわよ、それでいいのヘパイス?」


 それを聞いたヘパイスは顔を赤く染め。


 「ハァハァハァ、ああ、もちろん・・・私はそれが欲しい・・・」


 歯を食いしばり2人の間に割って入る蜜柑みかん


 「駄目だよ!!!何言ってるんだよリリスちゃん!!!」


 リリスの両肩を両手で掴み必死に言葉を掛ける。


 「ちょ・・・蜜柑みかん・・・」


 それを見たヘパイスは「ニタリ」と不気味に笑い。


 「ふむ、ならこの契約は無効になるけど・・・いいのかな?」


 ヘパイスの方に振り返り睨み付ける蜜柑みかん


 「うん!リリスちゃんにそんな事させるぐらいなら武器なんて要らないよ!!!」


 「何言ってんのよ!!!武器無いとどうやって戦うのよ蜜柑みかん!!!」


 「あははは、うん、どうだい?リリスはあー言っているが?」


 頭に血が上りヘパイスとの間を詰め。


 「ちょっとお前黙れよ!!!」


 と襟元を掴もうとして胸に手を差し出した所・・・


 「・・・・・あれ?・・・・・」


 目茶苦茶柔らかい胸筋・・・


 「・・・この感触は・・・」


 確かめる様に何度も何度も揉んでみる・・・


 「も、もしかして!!!・・・」


 「そうそう自己紹介が遅れたね!私の名前は『ヘファイストス』性別は♀百合ユリだよ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ