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謝罪

「そのスキル名は『魂食人種ソウルイーター』じゃ!」


 それは少女が僕に与えてくれたスキル名・・・


 そう・・・・


 「韓国ソウル行った?」


 「・・・・」


 「・・・・」


 リリスちゃんはそんな僕にアイアンクローをお見舞いします。


 「次ぃ!何かしら喋ったら顔潰すからね!!!」


 「ご、ご、ご、ごめんなさい・・・」


 リリスちゃんの僕を見る目がとても怖いです。

 もうきっと何人かヤッテル目でした。



 僕へのシゴキが終わった所で少女が話を進めます。


 「魂食人種ソウルイーター」とはその名の通り魂を食べるスキルじゃ!--正確な部位で表せるなら魂とは心臓--得られるのはスキル!・・・つまり倒した相手の心臓を喰らう事により、相手のスキルを強奪するスキル!・・・それが魂食人種ソウルイーターじゃ!!!」


 --ま、ま、ま、ま、マジですか・・・


 「まぁ~っと言っても心臓を喰らう必要があるのは最初の内だけじゃろ!--使用する度に熟練度が上がり、死体に手を翳すだけで、その内スキルを強奪出来る様になるじゃろ」


 --それまで、食べるんですね・・・


 「とまぁ~儂はそろそろ行かねばならん!後はリリスに任せる」


 椅子から颯爽と立ち上がる少女。

 片膝を地面に付け頭を下げるリリス。

 もちろん僕は土下座します。


 「はっ!受け賜りました」


 「あっそうそう!これもやろう」


 少女は蜜柑みかんを指差す。

 少女の指の先が発光し、光が蜜柑みかんの身体を包み込む。


 暫くして光が収まり蜜柑みかんは漆黒のローブを身に纏っていた。


 「儂のお下がりじゃが、暫くはそれに頼るがよい、それとLPライフポイントもついでに送っておいたぞ、好きに使うがよい」


 「あ、ありがとうございます」

 

 --よく分かんないけど・・・・




 「最後にまだ無駄じゃろうが、儂の名を伝えておこう。儂の名は


 魔神*****じゃ!」




 --・・・き、聞こえなかったんだけど・・・


 「でわの、また会おう」


 少女の影が伸びて少女に波の様にうねり覆い被さり、少女と影は地面に吸収されたかの様に姿を消す。




 暫く沈黙が続く。

 2人は一向に態勢を崩す事はしない。


 いや・・・


 出来なかった。



 そう2人は少女である事は認識しているがその姿形は分からない。

 少女の名を聞き身体が萎縮して動けないでいる。


 「名が聞こえなかった」?それは違う!

 「姿形が見えていなかった」?それは違う!

 名と姿形は脳で処理され認識していた。


 だが・・・



 極度の恐怖に脳がそれを忘却したのだ。



 何故?




 それはとても簡単な事。





 今迄目の前に居た少女が余りにも己とかけ離れ、その存在を無いものと判断しなければ、己の生命が危うい。



 では何故言葉は理解出来る?




 言葉を理解出来なければ、それこそ死に繋がる。



 そう・・・





 それが『恐怖』と言うものである。






 突然訪れた名前きょうふの告知に微動だに出来ない。それを理解していない2人は何故動けないのか分からないでいる。


 しかし不思議と2人には恐怖は無く、只爽やかな風に吹かれてその余韻に浸っているかの様であった。


 30分程時間が経過して2人は少しづつ身体の自由が効く様になった。

 身体の自由戻り始めて蜜柑みかんは少女からの贈り物がもう一つ手に納めされている事に気が付いた。


 それはスキル『魂食人種ソウルイーター』を得た蜜柑みかんを気遣い、授けられたアイテム。


 蜜柑みかんは其れをリリスに見せると2人は失笑して少女を評価する。


 「「粋だねぇ~」」と・・・


 少女が蜜柑みかんに授けた最後のアイテム。


 それは一般的にこう呼ばれている。



 『マヨネーズ』と・・・




 --・・・生姜醤油・・・


 考え事をしている僕にリリスちゃんは立ち上がり言葉を掛けてきました。


 「さあて!とりあえず基本から説明するね」


 僕は高速に頭を上下に振り、正座して、リリスちゃんの太ももをガン見します。


 「ゴツン!」


 「ちょっと真面目に聞きなさいよ!アンタちょっとエロくなってない?」


 脳天を押さえ藻掻く蜜柑みかん


 「だって僕思春期だよ!思春期!!!思春期の男の子にはリリスちゃん魅力的過ぎるよ!!!」


 「そ、そう?エヘヘヘ」


 満更でもないリリスはモジモジする。


 「ねっ、ねぇ~どうしてそんな格好してるの?ドキドキするんだけど・・・」


 「う、うん、これがね・・・今の私の最強装備なの・・・エヘヘヘ」


 「ふぅ~ん」


 顔がニヤケル蜜柑みかん


 --リリスちゃん大胆!超可愛い!


 髪は白く染まり太もも迄伸び、瞳は真紅、透き通る肌に、来ている服は漆黒のレオタード--全面と背面はほぼVの字で肌と胸元とへそを曝け出し、漆黒のロングブーツ。



 「でも、ドキドキ何てしてないのに・・・でもでも・・・ありがとう・・・」


 --何!この反応!!!今日イケるかもしれないぃぃーーー!!!


 「やだなぁ~リリスちゃん僕のハート聞いてごらんよ。バクバクだよ~!」


 右にある心臓を押さえる蜜柑みかん


 「・・・・」


 --あ、あれ?僕の身体は聖天の身体、そう暗殺拳が効かない身体だった筈なのに!


 左の胸を押さえる蜜柑みかん


 「・・・・」


 --あ、あれ?音がしない・・・


 絶句の蜜柑みかん


 「あっ!私達の心臓は今あのお方が今持ってらっしゃるわよ」


 「・・・えっ?!」


 「私達の心臓はあのお方が持ってるのよ!・・・そして私達は今不老不死の力を得てるの!」


 「あ、嗚呼、そうなんだ・・・でも何でリリスちゃんこんな所にいるの?」


 よく分からない蜜柑みかんは話題を変える。


 「・・・私2回死んだの・・,前の世界で1回・・・別の世界で1回死んだの・・・で、でもね!1回づつスキル貰ったから、そ、そうよ!お得だったのよ!エヘヘ」


 --笑ってはいるけど・・・その顔は悲しみだよリリスちゃん。


 「あのお方が言ってくれたの、「儂と同列になれば願を叶えてやる」って・・・だからね・・・私今此処に居るの。」



 で、でもね。


 蜜柑みかんもう願い叶えちゃったんだよ。


 そう私の願いは蜜柑みかん・・・


 もう一度貴方に・・・・・・




 会う事だったんだから。




 蜜柑みかんに優しく微笑み掛けるリリス。



 しかしそんなリリスを他所に蜜柑みかんは何かを考えている様だった。


 --「ガーン」となるリリス。



 「ね、ねぇ~リリスちゃん。ぼ、僕の願いも叶えてくれたりするのかな?」


 「ん?あー蜜柑みかんがあの方と対等になった場合の事?」


 高速で首を上下に振る蜜柑みかん


 「うん!大丈夫だと思うよ」


 リリスはニッコリ蜜柑みかんに微笑んだ。

 しかし蜜柑みかんはそんなリリスをさて置いて。



 「よっしゃー!僕のモテ期到来ぃぃーーーー!!!ハーレム上等!!!」


 目が血走り、ガッツポーズして、鼻息荒く興奮する蜜柑みかん

 そんな蜜柑みかんに殺意が襲う。


 「テメェ~腐れ蜜柑みかん2回目死んでこんかぁぁーーーーいいい!!!」


 必殺技『回転廻し中段蹴り』が正座している蜜柑みかんの顔側面にクリンヒット。吹き飛ぶ蜜柑みかん10m。



 「ツカツカ」と怒り肩で蜜柑みかんに歩み寄り、襟を掴みもう一発拳を・・・と思ったのだが・・・


 蜜柑みかんはリリスに涙を垂らして言葉を掛ける。


 「い、いだいよ~ぼんどに、りぶちゃんなんだね・・・ぼ、ぼぐ、りぶぢゃんに、ずっどあやばりだくで・・・ぼ、ぼんどに、ごめんださい、ぼんどにごめんださい、ごめんだざい・・・」


 蜜柑みかん理夢りむの必殺技を目で確認して、本人である事を再度確認を取ったのだ。

 リリスはそんな蜜柑みかんを優しく抱き締める。


 「蜜柑みかんいいのよ。こうして会えたんだから・・・」


 「ごめんだざい、ごべんださい、ごめんだざい・・・」


 リリスが赤坂理夢あかさかりむだと確信した蜜柑みかんの言葉は暫く続いた・・・



 リリス・・・嫌・・・赤坂理夢あかさかりむはそんな蜜柑みかんを優しく抱き締め。


 優しく微笑んでいた。


 「蜜柑みかん・・・私は此処にいるからね・・・」


 リリスも何度もそう言葉にした。

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