大魔王の器
「我が主として相応しい御方か、見定めさせて頂きます」
蜜柑に言葉を掛ける眷属召喚で現れた大人の女性。
「相応しいってどうすればいいの?」
顔の震わせ大人の女性に問いかける蜜柑。
大人の女性は顎に手を添え、蜜柑の顔を覗き込み、少し考え・・・
「あれでいいですよ」
指差す方向にゆっくり顔を向ける蜜柑。大人の女性が指差すのは『新しい神殿』そう『湖の神殿』であった。
少女がそれを聞いて怒り気味に親し気に話掛ける。
「ゲゲゲゲ、マジかよステン姉貴!最弱だぜあれ!」
「フフフフ、いいではありませんかエウリ」
「チェッ」
「さぁー見せて下さい。貴方の器を」
ステンと呼ばれた大人の女性は蜜柑に手を差し伸べ立ち上がらせると、先行して『湖の神殿』へと足を進める。
その後にエウリと呼ばれた少女が頭の後ろで腕を組み続き足を進め。
幼女は人差し指を口に咥え「ボー」と蜜柑のローブを掴む。
それを見て幼女に苦笑いして蜜柑も『湖の神殿』へと足を進める。
蜜柑に引っ張られる様に目的の場所に足を動かす幼女。
--新しいキャラだ!
幼女の仕草を見て蜜柑はそう評価する。
魔法陣に4人は身体を収めると蜜柑が言葉を発する。
「我挑む、神の試練」
『湖の神殿』内部に転移されステンとエウリは直ぐに足を進める。
蜜柑も2人の後に続き足を進めたのだが・・・幼女が足を止めローブが突っ張り先に進め無い。
歯を食いしばり地面を力の限り踏ん張るも、ピクリとも動かない。
諦めた蜜柑は幼女の方に振り返り、膝を落として言葉を掛ける。
「どうしちゃったの?」
「・・・・」
幼女は咥えていた手を蜜柑に差し出す。
少し戸惑う蜜柑。しかし直ぐに。
「うふふふふ、うん分かったよ」
蜜柑は幼女の手を掴み、手を繋いでステンとエウリの後を追う。
暫く進むとステンは胸の前で腕を組み、エウリは頭の後ろで腕を組み、蜜柑が来るのを待っていた。
「では、ここからは先に進んで下さい」
「あ、はい」
ステンの言葉に従い幼女と手を放して膝を落とし幼女にニコリ微笑む蜜柑。
「ここからは後ろから付いて来て」
幼女に言葉を掛け、顔を2回手の甲で「パンパン」叩くと振り返り、足を進めようとしたのだが・・・幼女がローブを掴み、首にローブが食い込む。
「ぐはっ」
頭をボリボリ掻いて幼女の方に振り返ると、幼女は蜜柑に手を差し出す。
「・・・・」
苦笑いしてステンとエウリの方を見ると2人は深く溜息をつく。
「「はぁ~」・・・仕方ないですね、手を繋いであげて下さい・・・」
ステンの言葉に従い幼女と手を繋ぎ洞窟の先に足を進める蜜柑。
心臓は無い筈なのだが・・・脈が高鳴る様な感覚に陥る。
最初は腰が引け、慎重に足を進める蜜柑であったが、余りにも魔物が出現が無い為に、10分程時間が経過した所から、緊張感も解け、幼女の方を見て微笑む余裕も生まれた。
幼女は空いた手の人差し指を「クルクル」と回し遊んでいる様であった。
そして何故か・・・この道中魔物と遭遇する事無くあの場所に着いたのであった。
そうエリアボス『ミノタウロス』が出現する場所。
膝が笑う蜜柑。
腰が引け中々、中に入る事が出来ない。
幼女と繋ぐ手はそんなに力を入れていなかった蜜柑。
蜜柑の様子を人差し指を咥え、顔を覗き込んだ後幼女は何を思ったのか・・・
気が付くと手を解き、エリアボスの場所へと駆け出していた。
「な!何してるのーーー!!!」
声を張り上げる蜜柑。
しかし・・・
蜜柑が気が付いた時にはもう・・・
黒い影が地面から湧き出た後で・・・
既に形と成し・・・
『ミノタウロス』3匹は幼女に向かい駆け出していた。
其処からの蜜柑は無我夢中であった・・・蜜柑は思い出していた。
そう、暴走するトラックから理夢に助けられたあの場面を。
--イヤだ・・・もうイヤだ・・・あんな思いはもうしたく無い・・・
只それが蜜柑の身体を突き進めていた。
幼女に向かい走り出し想像創作を3枚引いて・・・出たカードは『白』『黒』『動』であった。
幼女を助ける為の想像をする蜜柑。
足は止めない・・・幼女に向かい走りながら想像する。
ミノタウロスの前に光が集まり蜜柑の想像は少しづつ形と成す。
少し遅かった、先頭のミノタウロスは光をすり抜け幼女の元に足を進める。
残り2匹のミノタウロスは光に阻まれその場から動けないでいる。
幼女はミノタウロスの前で立ち止まる。
ミノタウロスが横に振りかぶり、間合いに入ると幼女に向かい斧を振り斬る。
蜜柑は幼女に飛び掛かり、幼女を抱きかかえ、幼女の代わりにミノタウロスの斧が蜜柑の脇腹に突き刺さる。
痛みは未だない、まだ動ける。
そう判断した蜜柑は直ぐに立ち上がろと身体をミノタウロスの方に向け足を進めようとした。
しかし「ズルリ」と崩れ落ちる身体・・・
理解出来ないが、そんな事を言っている場合では無かった。
幼女が危ない。
頭の中にはそれしかなかった。
必死に蜜柑は手で這いつくばり、ミノタウロスの元へと身体を進める。
しかしミノタウロスは蜜柑を相手にしていない、幼女に向かい足を進めようとしている。
足に食らい付き幼女に声を掛ける。
「に、逃げてぇぇーーー!!!」
しかし幼女は逃げようとしない、手を握り「プルプル」震わせていた。
--これじゃ駄目だ!
蜜柑はミノタウロスの掴める部分を掴み、ミノタウロスの体を手で攀じ登る。
ミノタウロスは幼女の前迄来ると、上段に斧を振り上げる。
--させない!!!
蜜柑はミノタウロスの体を歯で齧る。
形振りなど構ってはいられなかった。
「グオォォォーーー!!!」
痛みに声を上げるミノタウロス。痛みはある様だった。
上段の構えをやめて体を横に勢いよく振るミノタウロス。
振り落とせないと判断すると片手に斧を持ち、空いた手で蜜柑を振り解くこうと、蜜柑の顔を鷲掴みにするミノタウロス。
「グチャ」と音が鳴り片目が暗闇に染まる蜜柑。
蜜柑はミノタウロスの体から手を放し、手にしがみ付く。
それを振り解こうと蜜柑を地面に何度も何度も叩きつける。
目の前に血が飛散する光景が見える。
だがミノタウロスの手は離さない蜜柑。
一気に引き離そうと、蜜柑がへばり付く手を、勢いよく振りかぶる。
蜜柑はタイミングを見計らいミノタウロスの手から顔にへばり付く対象を変える。
顔にへばり付いた蜜柑はミノタウロスの目を指で潰し、歯で頭に噛み付く。
藻掻くミノタウロス。
拳を作り蜜柑を何度も殴りつける。だが血反吐を吐きながら離れない蜜柑。
床に転がり振り解こうとする。顔の至る所で「ゴキゴキ」と鈍い音がするが離れない蜜柑。
必死に噛み付く何度も何度も。歯が何本も折れ様が関係無い。必死にミノタウロスの顔に噛み付く。
何時間このやり取りをしたであろう?
一瞬だったのか?それとも何時間も繰り返していたのだろうか?
蜜柑は分からなかった。
しかし、ミノタウロスの頭を何度も同じ所を噛んだ時「ゴリ」と鈍い音がしてミノタウロスは崩れ落ちた。
動かないミノタウロス、しかし蜜柑はそれでも噛み続けた。
必死に必死に噛み続けた。
歯はもう奥歯数本しか残っていなかった。だが問題無かった。
何故なら口が裂けていたからだ。
必死の形相でミノタウロスに噛み付く蜜柑に幼女が駆け寄る。
幼女は膝を落とし蜜柑の頭を撫でる。
我に返った蜜柑は幼女の方に顔を向けると、涙を流し言葉を掛ける。
「げがばだい?じむぢゃん」
暫く時間を要したが、頷く幼女。
それを片目で確認した蜜柑は。
「えへへへへ」
そう笑い、倒れた・・・
『早乙女蜜柑』最初の戦いは差し違えであった。
蜜柑みかん
種族:契約魔族
職業:見習い大魔王
LV:1➡5
HP:510(+500)➡515
MP:505(+500)➡510
攻撃:501(+500)➡506
防御:501(+500)➡506
魔法:501(+500)➡581
素早:501(+500)➡541
LP:2000➡3500
()追加補正値
スキル
【魂食人種ソウルイーターレベル1】
【錬金魔法レベル1】
【二次妄想】
【闇属性魔法レベル1】
【睡眠耐性レベル1】
【麻痺体制レベル1】
【毒耐性レベル1】
【魅了耐性レベル1】
【石化耐性レベル1】
【盲目耐性レベル1】
【沈黙耐性レベル1】
防具
【漆黒のローブ】
全てのステータスに+500
義体
【なし】




